農業研修生の事故に伴う損害賠償・労基署対応のご相談(実態はボランティア)
岐阜県で農業を営んでいる経営者です。現在、非常に困難な労使トラブルに直面しており、弁護士の先生のアドバイスを求めています。
【相談の背景】
受け入れの実態: 「農業を学びたい」という応募者(20代男性)を、雇用ではなく「研修生(インターン)」として受け入れました。当初の約束は生活支援の手当(3万円)のみです。
事故発生: 来訪から1週間目、本人が指示していない屋根登りを独断で行い、転落して脊椎骨折の重傷を負いました。
労災申請の経緯: 本人から「治療費に困る」と懇願され、善意で労災申請に協力しました。その際、監督署の指導により形式上「労働者」として賃金を支払う形を取りましたが、実態はあくまで研修生です。
現在の状況: 本人に弁護士がつき、突然「50時間働いた、未払い賃金を払え」と攻撃的な請求が始まっています。また、加入している賠償責任保険が「労災対象なら免責(支払い不可)」となる可能性があり、法人が丸裸で数千万の賠償リスクにさらされています。
【先生にお聞きしたいこと】
「研修生」という実態の主張: 当時の募集画面(ジモティー)やLINEの証拠がある場合、事故後の労災認定を覆す、あるいは賠償額を大幅に減額(過失相殺)することは可能でしょうか。
労基署への回答: 4月末までに「災害発生原因」を報告する必要があります。どう記載すれば将来の訴訟で不利にならないでしょうか。
顧問契約の是非: 他の弁護士から「月5万円の顧問契約」を提案されましたが、保険の適用(争訟費用)を考える際、どのような契約形態が望ましいでしょうか。
お手元に、これまでのLINEのやり取りや募集画面の証拠をまとめたWord資料がございます。
・①男性の業務内容(一作業を任せたのか、補助や見学に過ぎなかったのか)、②指揮命令(作業指示を受けていたのか、自分で作業を決めていたのか)、③諾否自由(研修参加が任意か、時間的・場所的拘束はあるか)から、労働者性があるのかを評価する必要があります。
手当額を含めたジモティーやラインでの合意内容、監督署の指導により「労働者」として賃金を支払ったことは補助的な考慮要素であり、上記①~③が重要であると考えます。
・上記評価の結果、労働者性を否定して労災認定を覆す方向に舵を切るのであれば、どう記載するか以前に、災害発生原因の報告自体取りやめるべきではないかと考えます。
・過失相殺が認められるかどうかは、労災の対象となるかどうかとは直接関係がありません。男性が屋根登りを行った経緯や作業の異常性、指示・監督の状況が問題になると考えます。
・賠償責任保険ですが、労災給付と重ねての保険給付ができない、というだけではありませんか。
・賠償責任保険の約款上、争訟費用も保険給付対象となるのであれば、顧問契約とするのではなく事件の着手・報酬金で処理すべきですが、受任する弁護士の考え方もあろうかと存じます。
ご回答へのお礼と具体的なご相談
本文:
加藤先生
ご多忙中、私の切実な悩みにこれほど的確かつ本質的なアドバイスをいただき、心より感謝申し上げます。
先生がご指摘された「労働者性の3要素」および「労基署への報告取りやめ」という視点は、他の先生からは得られなかったものであり、霧が晴れる思いがいたしました。
「善意で行った手続き」が法人の首を絞めている現状を、法的な論理で正していただきたいと強く感じております。
つきましては、ぜひ先生に正式なご相談、あるいは本件の解決(スポット受任)をお願いしたく、以下の点についてお伺いできますでしょうか。
1. 資料の精査とWeb会議のお願い
手元にジモティーでの募集画面や、事故前後のLINEのやり取りを時系列でまとめた資料がございます。これらを精査いただいた上で、一度Web会議にて詳細な打ち合わせをお願いすることは可能でしょうか。
2. 契約形態と費用について
他の弁護士から提案された「月額顧問契約」に強い違和感を抱いておりました。先生が仰る通り、本件の解決に向けた「着手金・報酬金(スポット契約)」での対応を希望しております。先生に本件(労基署対応および相手方弁護士との交渉)をご依頼した場合の概算費用をご教示いただけますでしょうか。
3. 保険会社(損保ジャパン)との調整
加入している賠償責任保険の「争訟費用」の枠で、先生への報酬を賄えるよう、保険会社への説明等についてもアドバイスをいただけますと幸いです。
4月末という労基署の期限が迫っており、一刻も早い「舵切り」が必要だと痛感しております。大阪の先生ではございますが、Zoom等を通じ、ぜひ先生のお力をお借りしたいと考えております。
何卒、よろしくお願い申し上げます。