離婚協議中に妻が貯金を隠した場合の財産分与の影響は?
1ヶ月前に妻から離婚したいと言われて話し合いをしています。
財産分与について質問ですが、もし妻が話し合いの現段階で貯金を下ろして使ったなど適当な事を言って隠していた場合は、話し合いをした1ヶ月前以降に正当な理由なく下ろしたお金は財産分与の対象にはならないのでしょうか?
財産分与は、基本的には結婚してから別居時(または夫婦関係が破綻した時)までに増えた財産が対象になります。
そのため、今回のように、話し合い開始後に奥様が正当な理由なく預金を引き出している場合でも、原則としてその金額は財産分与の対象に含めて考えることができます。
財産分与の基準日は、通常、別居をしていれば別居日、別居をしていなければ調停申立日や離婚申入れ(があり、かつそれが客観的に明らかな)日となります。
財産分与は、基準日に存在する夫婦の共有財産を、夫婦間で等しくなるように精算をする手続です。
したがって、上述の基準日に存在しない財産は原則として財産分与の対象とならず、財産分与の対象とすべきであると主張する側が、その預金引出し等の事実と、当事者の衡平の観点からその引出しを考慮するのが相当であることを主張立証する必要があります。
また、財産分与の話合いでは、双方の把握している夫婦の共有財産を開示し合うことが必要です。
預金等を相手が任意で開示しない場合には、調停・審判の手続において、調査嘱託をしてその開示を求めるなどの方法が考えられます。
財産分与に関しては、別居時(または調停申立時のうち早い方)を基準時として、その時点の財産状況を基準に整理する運用が一般的です。なお、調停の財産目録において、基準日の預貯金残高をそのまま記載し、別居後に無断で引き出された金員がある場合は、引き出した側の「その他の財産」として計上する扱いとされることがあります。
ご記載のように、妻側が話合い開始後や別居前後に、正当な理由なく預金を下ろして隠していたとしても、当然に財産分与の対象から外れるわけではありません。 むしろ、基準時に存在していた共有財産であれば、後で引き出して使ったとしても、財産分与上はその使途や残額が問題となり、場合によっては引き出した側の取得財産として扱われる余地があります。もっとも、生活費、住宅費、子のための支出など、夫婦共同生活上の相当な支出であれば、全額がそのまま隠匿財産と評価されるとは限りません。重要なのは、いつ、いくら、何のために引き出されたかです。今後の対応としては、通帳、取引履歴、家計の状況を確保しておくことが重要でしょう。
財産分与については別居している場合は別居日,そうでない場合は調停申立時等を基準として計算をするため,基準日以降に勝手にお金を引き出したりしても,財産分与においては当該基準日の財産を基準に計算をします。
また,財産を隠し持っていたとしても,かかる財産が特有財産ではなく,夫婦で共同して築いた共有財産である場合は,財産分与の対象となりますし,浪費等の場合はその金額については財産分与の計算に影響します。