養育費を全く払ってこなかった親にも子の死亡に対する損害賠償金を受け取る権利があるか

子供が事故で死亡しました。
賠償金が入りますが、養育費を一切払ってこなかった父親も賠償金を受け取る権利があるのでしょうか。
今のところ賠償金を自分ももらうとは言って来ていませんが、
法定相続人が複数いる場合、一人だけで裁判上の賠償請求して受け取ることはできるのでしょうか。
受け取った後子の父親から自分の分をよこせと言われたら払わないといけないのでしょうか。

この度はお悔やみ申し上げます。
ご質問についてご回答させていただきます。

Q.賠償金が入りますが、養育費を一切払ってこなかった父親も賠償金を受け取る権利があるのでしょうか。
A.あくまで、父親も法定相続人にあたりますので、賠償金を受け取る権利があります。
  これは、養育費の支払いの有無によって影響されるものではないです。

Q.法定相続人が複数いる場合、一人だけで裁判上の賠償請求して受け取ることはできるのでしょうか。
  法定相続人一人で訴訟を行うことは可能ですが、あくまでもご自身の相続分の範囲内に制限されるため、
  父親の部分も代わりに請求することは出来ないです。
  父親の分も請求するためには、父親自身が法的に請求する必要があります。

亡くなった子供本人の逸失利益と慰謝料が例えば総額で6000万円だったとして、法定相続人一人が請求して6000万円まるごともらうことはできないということですか?3000万円しか払ってもらえないということですか?他の法定相続人が請求しなかったらどうなるのですか?

結論としてそうなります。
遺産分割とは異なり、損害賠償請求については、相続人個々の権利となりますので、相続人一人が他の相続人の権利を勝手に行使することは出来ないです。

心よりお悔やみ申し上げます。
相続人全員の合意があれば、賠償金の遺産分割協議により、法定相続分の割合を変更可能です。相続人がご相談者と父親のお二人、賠償金6000万円と仮定して、父親が遺留分侵害額請求をしないように、ご相談者5000万円、父親1000万円(=6000万円×法定相続分1/2×遺留分1/3)で遺産分割協議書を作成することが考えられます。
父親は、上記割合で合意しない可能性がありますが、養育費を一切払ってこなかった経緯を踏まえると、ご相談者が父親より割合が多いことに不合理な点はないといえます。

養育費の支払いの有無と相続権については無関係ですので,養育費を支払っていないから相続が出来ないということにはなりません。

遺産分割の割合については,合意の上で一定程度変更することは可能ですが,相手が一切譲歩せず法定相続分通りの請求を維持した場合,法定相続分通りの分配となる可能性はあるでしょう。

仮に子の父親が相続放棄したら、子自身の逸失利益と慰謝料が満額6000万円だとして、子の父親以外の法定相続人が私一人だとして、私一人で6000万円もらえるのですか?
遺産分割協議において子の父親が法定相続通りの分配を主張した場合、裁判でそれを取り決めるという手段もあり得るのでしょうか。その場合、一切養育費を払ってこなかったとしても、法定相続分通りの分配を命じる可能性が高いのでしょうか。

一つ目の質問については、ご相談者のご理解のとおりですが、父親がわざわざ相続放棄する理由はないと思われます。
二つ目の質問については、当事者間の協議不調の場合、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立て、協議することが考えられます。ただ、父親が一切譲歩しなければ、調停不成立となり、審判に移行します。審判では、法定相続分に従い、処理される可能性があります。
ご相談者は、そもそも父親との間で、養育費の取り決めをしたのでしょうか。取り決めがあれば、未払いの養育費及び遅延損害金を請求する権利があります。

父親が相続放棄をし、ご自身が単独相続人となるのであれば、そのようになります。ただ、放棄をするメリットがないのであればしてはくれない可能性が高いでしょう。

遺産分割に関して調停を申し立て、調停や審判の中で話し合うことは可能ですが、話し合いがまとまらなかった場合遺産分割については法定相続分通りとなるかと思われます。養育費の支払いと相続分とは基本的に関係がありません。

養育費の問題は、未払い請求という形で処理する問題であるため、そちらを検討された方が良いでしょう。