芸能契約辞退時の発注済み費用の支払い義務について相談
先日、事務所と芸能契約を締結しレッスン等の活動を行っておりましたが、心身の不調を感じ医療機関を受診したところ、医師より「現時点で活動の継続は難しく、休養が必要」との診断を受け、診断書も発行されております。
自身としても活動を継続できるよう、薬の調整などを行いながら様子を見ておりましたが、医師の判断もあり、やむを得ず辞退の意向を事務所へお伝えいたしました。
その際、辞退にあたり、既に発注済みの衣装代の請求がある旨の連絡を受けました。
このような医師の診断に基づくやむを得ない辞退の場合でも、これらの費用について支払い義務が発生するものなのか、ご相談させていただきたく思っております。
お忙しいところ恐れ入りますが、ご確認のほど何卒よろしくお願いいたします。
芸能事務所と個人としての所属タレントの育成契約は、消費者契約法9条1項の適用を受けます。
消費者契約解除に伴う損害賠償額の予定や違約金等の合計が、解除の事由、時期等の区分に応じて、同種の消費者契約の解除に伴い生じる平均的な損害の額を超える場合は、その超える部分は無効とする」と規定しており、「当該消費者契約と同種の消費者契約の解除に伴い当該事業者に生ずべき平均的な損害」とは、受講生と育成事務所とのタレント養成契約が解除されることによって一般的、客観的に生ずると認められる損害と解釈され、何がそれにあたるかは裁判でも個別具体的判断となります。したがって、多額の違約金については概ね裁判例の集積によって否定されつつありますが、芸能活動の進捗によって合意のもと発注した衣装については、医師の判断であるから支払わなくてよいと一概に言えるものではありません。
まずは契約書と、その発注済みの衣装の金額の明細をもって、具体的な法律相談を受けられた方が良いでしょう。