名義預金の資産は親に帰属するのか、偏頗弁済は可能かどうか

自己破産について、質問がございます。
母が作った名義預金が存在しているのですが、私は口座を作成当時、心身ともに物事の分別がつかない状態で母の言う通りに従っていたと思います。
他の弁護士の回答では、
名義預金の点については様々な考え方がありますが、口座開設の経緯、目的、出捐者、利用状況などを総合的に考慮する総合考慮説が有力となっておりますので、裁判所(破産管財人)に事情を説明し、ご相談者の預金ではないと証明していくことは不可能ではないと思います。
と伺っています。
この場合において、母の陳述書があれば証明が有効となるのでしょうか?

もう1つ、質問がございます。
自己破産の前に携帯電話端末残代金を生計をともにしない、親族や友人に頼んで支払いをしてもらえるのであれば偏頗弁済に当たらないと聞きました。その理解で良いのでしょうか。

まず一点目(名義預金)については、申立て予定の裁判所の考え方が重要です。例えば当職の事務所がある裁判所では、たとえ名義預金でも破産者名義である以上は破産財団に含め、親の通帳類や陳述書などで資金の所在を証明しても聞き入れてもらえないことが多いというのが実情です(複数の事案で名義預金であることを主張しましたが、認めてもらえたことはありませんでした)。一方、上記の裁判所のように厳しく判断しない裁判所もあるようですので、地元の運用基準に詳しい弁護士へ相談された方がよいと思います。
二点目(偏頗弁済かどうか)については、その親族や友人が本当に援助として(つまり後日立て替えや返済を求めない)行うのであれば、偏頗弁済にあたらないことになります。ただ、携帯電話会社との間で端末の割賦契約の名義変更ができるかどうかが重要になる場合があります。ちなみに、携帯電話は生活のインフラであり、回線が途絶えることは裁判所から破産者への連絡手段も絶たれることを意味するため、実務は理論とは異なる柔軟な解決が行われている場合も少なくない分野です。この点も、地元の運用基準に詳しい弁護士へ依頼してアドバイスを受けることが肝要です。