賃貸物件の退去交渉、借主が提示する金額の影響と借主のベストな進め方は?
賃貸物件の大家から、建物の老朽化を理由に退去を求められています。
入居期間は2年未満です。
貸主からは補償として「家賃6ヶ月分」が提示されていますが、その金額では生活再建が難しく、現状では応じられない状況です。
貸主からは「不足しているなら借主が具体的な金額を提示すべき」と繰り返し求められており、 こちらが金額を提示しない限り話が進まない状態になっています。
また、貸主からは調停の可能性も示唆されています。
【質問】
1. 立退き交渉において、借主側が具体的な金額を提示しないまま交渉を続けることは一般的でしょうか。
2. 借主が金額を提示した場合、その金額が“上限”として扱われてしまい、結果的に不利になる可能性はありますか。
3. 借主が金額を提示しないまま調停に進んだ場合、借主側に不利益が生じることはあるのでしょうか。
4. 調停になった場合、貸主と借主のどちらが不利になりやすいなど、実務上の傾向があれば教えていただきたいです。
5. 貸主が家賃6ヶ月分を提示している状況でも、借主側の事情(短期入居・生活への影響・家具家電の買い替え等)を踏まえて補償額が上がるケースはありますか。
方向性を判断するため、実務的な観点からご意見いただけると助かります。
1 借主が立退きに応じない場合、貸主は訴訟を提起して、借地借家法28条の正当事由があることを裁判所に認めてもらう必要があります。
したがって、借主側の対応として、具体的な金額の提示はせず、貸主側から納得できる条件の提示がなければ立退きには応じない、と回答して、貸主側に対して、条件を上げるか、費用と時間をかけて訴訟を提起するかを検討させることはよくあることです。
2 交渉の状況にもよりますが、過去の提示額が事実上の上限になることはあります。
3 以上のとおり、借主側としては、納得できる条件が提示されなければ退去しない、と回答することはよくあることで、借主側が金額を提示しないこと自体で不利になることは特にないと思います。
4 調停は裁判所で行われますが、結局は話し合いなので、一般論として、どちらかが不利になりやすいということはありません。
5 貸主が立退きを求めて訴訟を提起した場合、借地借家法28条の正当事由を満たすために家賃6か月分以上の立退料が必要になることや、そもそも立退きが認められない、ということもあります。
したがって、貸主と借主の双方の事情によりますが、家賃6か月分以上の立退料が支払われることはあります。