みんなで大家さんの件について
現在、「みんなで大家さん」という不動産投資型の匿名組合商品に出資している件について、法的対応(訴訟提起を含む)の必要性および出資金回収の可能性について、専門家のご意見を伺いたくご連絡差し上げました。
報道等でも取り上げられているとおり、本件商品については、昨年から分配金の支払い停止が生じており、出資者としては、今後の資金回収の見通しについて大きな不安を抱いております。都市総研インベストファンドが倒産するのではないかという憶測も流れております。
現時点で報道などを見ると、本件に関しては次のような点が問題として指摘されているようです。
1)成田プロジェクトにおいて、土地の取得原価と評価額の間に著しい乖離があるとされている点
2)関連会社間の賃貸借契約に基づく高額賃料を前提として収益還元法による評価が行われているとされる点
3)当初説明されていた事業計画から大幅な計画変更が行われている点
4)行政処分が行われている点
5)成田シリーズのみならず他シリーズにおいても分配金の支払いが停止している点
これらの事情が仮に事実であるとすれば、法的手段による回収可能性がどの程度見込めるのかについて、専門家の視点からの見解を伺いたいと考えております。
特に、
・仮に訴訟を提起した場合の出資金回収の可能性(現実的な見通し)
・現時点で訴訟を提起することのメリット・デメリット
・今後の事業状況を見守るべきか、それとも早期に法的対応を検討すべきか
といった点についてご意見をいただけますと大変ありがたく存じます。
みんなで大家さんの件については、本件のように分配金の支払いが停止している状況で任意の解約にも応じていない状況においては、、出資者側が何らのアクションを取らない限り、現状が大きく変わる可能性は高くないという点です。
当職はこれまで本件に関して既に400件以上のご相談を受けており、現時点で約70件程度の訴訟を大阪地方裁判所に提起しております。多数の案件を扱う中で見えてきている現状としては、①満期が到来している案件、②解約を申し入れた上で譲渡契約が締結済みとなっている案件については、訴訟手続の中で和解の可能性が議論される場面が出てきているという状況があります。もちろんすべての案件が同様の展開になるとは限りませんが、少なくとも訴訟という手続の中で具体的な解決の枠組みが検討されるケースが存在することは事実です。
一方で、③「匿名組合契約」の解約が未了となっている案件については、匿名組合契約上の解除要件である「やむを得ない事由」が存在するかどうかが大きな争点となっています。実際に進行している訴訟においても、この「やむを得ない事由」の有無を中心として主張立証が行われているのが現状です。当初想定されていた事業計画から変更が行われていること、事業の運営状況に不合理な点があること(出資者の利益を犠牲にして関連会社に莫大な不動産売却益をもたらしている。)などが、「解除事由」としてどのように評価されるのかが重要なポイントとなっています。
本件において特に問題として指摘されているのが、いわゆる成田プロジェクトの実態です。報道等でも指摘されているとおり、当該プロジェクトについては、
①土地取得価格と評価額の間に大きな乖離があるのではないかという点や、
②関連会社間の取引を前提とした収益構造の問題、
③さらには当初説明されていた事業計画から大幅な変更が行われているのではないかという点など、
事業の実態について様々な疑問が指摘されています。これらの事情は、当該事業の収益性や資産価値に直結する問題であり、出資者としては無視できない重要な要素であるといえます。
さらに、重要なのは、都市総研インベストファンドの財務状況(支払い能力)です。本件では多数の出資者が存在しており、仮に事業の状況がさらに悪化した場合、最終的には限られた資産の中から出資者が回収を図るという状況になる可能性も否定できません。一般論として、事業主体の資産が十分でない場合には、出資者間で回収可能な資産を巡る状況になることもあり得るため、営業者の財務状況を踏まえてどのような対応を取るのか(訴訟提起するか否か)を検討することが重要になります。
以上のような事情を踏まえると、本件については「単に事業の推移を見守るという対応」だけで状況が大きく改善する可能性は必ずしも高いとは言えない状況にあるように思われます。出資者として出資金の回収をどのように図るのかについて、法的手続を含めた対応を検討することには相応の合理性があると考えられます。もちろん、最終的に訴訟を提起するかどうかは個別の事情によって判断されるべきものですが、少なくとも現在の状況を見る限り、出資者として自らの権利をどのように行使するのかを具体的に検討する段階には来ているように思われます。特に都市総研インベストファンドの財務状況を踏まえると、「出資金の回収可能性を現実的に考えた上え、どの時点でどのような行動を取るのか」という点が重要な判断要素になると考えられます。
要するに、回収不能のリスクをとったうえで、できる限りのことをやるという決断をするかどうかという話です。訴訟の動きをとっている人は、令和6年7月末の分配金の停止後にすぐに動いている方もいらっしゃるので、その方々と比べれば、劣後してしまう可能性もあるわけえす。
その意味では、本件については、現状を静観するという選択肢だけではなく、訴訟を提起することを視野に入れながら、出資者としてどのような対応を取るべきかを検討することが必要な局面にあると考えられます。