妻の不倫相手との同棲が婚姻費用分担に影響するか?

別居1ヶ月後に、妻が不倫相手と私名義で借りているマンションで複数回宿泊した上に、
不倫相手がそのマンションから通勤したり、妻不在時に不倫相手がそのマンションに滞在している証拠があります。
すなわち、妻と不倫相手が同棲と思われることをしています。

その妻から婚姻費用分担請求をされています。

上記の事情から妻は有責配偶者に該当するものと思われます。

有責配偶者からの婚姻費用分担請求は信義則違反で認められないという判例が多数ある一方で、婚姻費用はそもそも夫婦の共同生活保持義務があることから有責性は問わないという原則も一部あると知りました。

そこで、仮に裁判官が、夫婦の共同生活義務としての婚姻費用に有責性を問わないという原則論での判定をしたとしても、
妻が不倫相手と同棲して共同生活基盤を形成していると判断される場合に、夫婦の生活保持義務としての婚姻費用は発生するのでしょうか?

最終的には裁判所の判断次第ですが、別居のきっかけ自体も不貞行為にあるような場合は配偶者の分の婚姻費用については請求が認められないケースが多いように思われます。

詳細不明ではありますが、婚姻費用は民法760条に基づく生活保持義務であり、配偶者の有責性の有無は原則として考慮されないので、妻に不貞行為があるという事情のみで当然に婚姻費用請求が否定されるわけではありません。
もっとも、妻が不倫相手と継続的に宿泊し、相手が当該マンションから通勤し、妻不在時にも滞在しているなど、実質的に同棲して生活共同体を形成していると評価される場合には事情が異なると考えられます。そのような場合は、妻は既に第三者との生活基盤を築いていると評価され、夫との生活保持関係は実質的に失われているといえることから、妻側の婚姻費用請求は信義則違反または権利濫用として否定(あるいは大幅に減額)されるという立論もできるように思われます。