ビル老朽化を事由に事業用普通賃貸借契約の解除と立退を要求されています。
美容室をビルテナントに店舗を開業して11年になります。
本日普通郵便でビルの大家が書面を送ってきました。
その書面の内容は以下のとおりです。
「ビルは築40年以上経過いたしました。過去に3回程外壁のひび割れやビル側面の外壁の欠損などがありました。建築会社にベランダの修理を依頼いたしましたが修理はできないとの事でした。貸主にはこれ以上対処不可能なため管理会社にお願いをしましたが受けては頂けませんでした。
現状の建物は非常に危険なため責任をもってお貸しすることができません。
よって契約の更新は難しいと思われます。どうぞご理解下さい。
来年の契約終了時までに明け渡して頂きますようよろしくお願いいたします。
その際には別紙記載の保証料(現行の家賃7ヶ月分)をお支払いさせて頂きます。
ご連絡は今年11月までにお願いいたします。
なおご連絡が頂けない場合、 保証料のお支払いはできません。
何卒よろしくお願いいたします
ご連絡はFAXにてお願いいたします。」
以上の内容の書面ですが当方はまずビルの老朽化をビル大家が管理・修善の義務を怠っている現状とこれからも変わらずこの店舗を営業していきたい意向を無視した契約の一方的な期限の打ち切り。もし移転する選択肢しかない場合の費用についての詳細な説明や十分な保証をする大家の意思も感じられません。対処の方法をご教授頂けましたらと存じます。
【質問1】
老朽化を事由に普通賃貸借契約解除を要求する大家に対しての対処は如何すれば良いでしょうか。当方は粛々と法定合意をして契約継続し続ける事が第一希望です。その場合、家賃値上げなど主張してくるリスクもあるかと
【質問2】
移転するにも十分な移転費用保証がなければ応じる事はできません。移転時の営業補償や顧客へのサービス提供の責務もあります。やはりその場合は弁護士の方にお願いして費用保証を交渉するのが最善でしょうか?
これはかなり大きな話であるため、一度お近くの法律事務所にて相談されてみることをお勧め致します。色々な対応方法があると思います。
ありがとうございます。相談には伺いたいと思いますがどの様な方法で交渉していくかの選択肢の情報は沢山用意しておきたいと思いますので。
賃貸人への回答としては、賃貸借契約の更新拒絶には、借地借家法28条の正当事由が必要であり、正当事由が認められないので、立退きには応じられない、と伝えればよいと思います。
その回答に対して、賃貸人が条件の上乗せをしてきたら、その条件を検討すればよいです。
賃借人が自発的に立退きに応じなければ、賃貸人が訴訟を提起する必要があるため、そのコストを考慮して、条件を上乗せすることはあります。
また、立退きから賃料増額に切り替えることもありますが、こちらも一方的に増額することはできず、調停や訴訟が必要になります。
少なくとも弁護士への相談は早めにされた方がよいですが、賃貸人にすでに弁護士が就いている場合や、調停や訴訟が始まった場合でなければ、弁護士に依頼をせずに交渉をすることもあるかと思います。
ご丁寧で適切なご返答ありがとうございます。郵送してきた書類の文面をみても弁護士が就いている形跡が無い位、とても素人な対応で呆れています。どちらにしても対応できます様、準備は万全で臨みたいと思います。
1 まず、借家人の保護の観点から制定された借地借家法という法律が存在し、大家(賃貸人)側が賃貸借契約の解約や更新拒絶をしようとしても、当然に認められるわけではなく、解約や更新拒絶に「正当の事由」が存在する必要があります。
賃貸人側が退去を求める理由として、建物の老朽化が挙げられることがよくありますが、そのまま鵜呑みにせず、慎重に検討すべきでしょう。
そして、この正当の事由が認められるか否かの判断要素の一つとして、いわるゆ立退料の申出•支払という財産上の給付が挙げられます。
あなたとしては、正当事由がないこを前提に、移転の条件として、立退料の増額を交渉していくことが考えられます。
2 立退料は一律に決まっておらず、ご事案によって変わって来ます。
ただ、立退料の算定の際、考慮すべき事項としては、例えば、以下のようなものがあります。
•新店舗•事務所と現店舗•事務所の家賃の差額
•新店舗•事務所を借りる際の諸費用(礼金、仲介手数料など)
•新店舗•事務所の内装費用
•引越費用
•新店舗•事務所の広告・宣伝費用
•移転に生じる減収の補償
等
これらの事項を積み上げて計算して行くと、賃貸人側が提示して来た保証料(現行の家賃7ヶ月分)を優に上回る可能性もあります。
そのため、これらの項目について、どのくらい費用がかかりそうか、見積りを集めたりしてみて、概算を立ててみてもよろしいかと存じます。
正当事由の有無の判断や立退料の算定等、ご自身では難しく思われる場合には、借地借家法や立退問題等に精通した法律事務所•弁護士に直接相談•依頼なされてもよろしいケースかと存じます。
【参考】借地借家法
第28条(建物賃貸借契約の更新拒絶等の要件)
建物の賃貸人による第二十六条第一項の通知又は建物の賃貸借の解約の申入れは、建物の賃貸人及び賃借人(転借人を含む。以下この条において同じ。)が建物の使用を必要とする事情のほか、建物の賃貸借に関する従前の経過、建物の利用状況及び建物の現況並びに建物の賃貸人が建物の明渡しの条件として又は建物の明渡しと引換えに建物の賃借人に対して財産上の給付をする旨の申出をした場合におけるその申出を考慮して、正当の事由があると認められる場合でなければ、することができない。
清水先生、以前もこちらで法律相談させて頂きました。
その節も大変ご丁寧にご対応頂きました以来とても信頼させて頂いてます。
前回の契約更新時に定期賃貸借契約への変更を迫ってきたり今回の事案といい信用性も誠実さも感じられない大家の対応に心身衰弱しています。とても辛いです。
当方の第一の要望は引き続き現在地で通常と変わりなく美容室を営業していく事です。
それでも継続が多角的に無理なのであれば移転・立退への変更になると思います。
やはりその場合は充分な経済的補償がなければ泣き寝入りになってしまいます。
先ずは従前の契約更新を希望する旨の内容証明での通知。貸主側への老朽化を事由とする証拠の開示を通知していきたいと思います。
同時に清水先生のご返答にもあった移転に伴う立退料の様々な算出を準備していきたいと思います。
弁護士先生にご相談する際に清水先生にもご連絡する事も検討させて頂きたいと思いますので引き続き宜しくお願い致します。