パワハラ被害の時効と精神的苦痛への損害賠償請求について相談
約3年前に、勤務先でパワハラおよび恐喝にあたる行為を受けました。
不法行為に基づく損害賠償請求の場合、原則として「損害および加害者を知った時から3年」で時効消滅すると理解しています。
一方で、会社に対して安全配慮義務違反(債務不履行)として請求する場合は、「権利を行使できることを知った時から5年」との説明を受けました。そのため、会社に対してであればまだ可能ではないかと考えています。
そこで質問です。
① 民法改正により、不法行為の時効が「5年」となった類型があると聞きましたが、これは「生命・身体を侵害された場合」に限られるのでしょうか。
ここでいう「身体の侵害」とは、怪我をした場合のみを指すのか、それとも精神的苦痛も含まれるのでしょうか。
② 精神的苦痛の場合、医療機関(精神科など)を受診していなければ「身体の侵害」には該当しないのでしょうか。
③ 不法行為の3年時効が経過していても、「行為の時から20年」という規定があると聞きました。この20年という期間は、3年が過ぎていても適用されるものなのでしょうか。それとも性質が異なる制度なのでしょうか。
時効の整理がうまく理解できておらず、混乱しています。
法的な考え方をできるだけ分かりやすく教えていただけますと幸いです。
>① 民法改正により、不法行為の時効が「5年」となった類型があると聞きましたが、これは「生命・身体を侵害された場合」に限られるのでしょうか。
ここでいう「身体の侵害」とは、怪我をした場合のみを指すのか、それとも精神的苦痛も含まれるのでしょうか。
【回答①】
一般に、生命・身体の侵害には、単に精神的な苦痛を受けたという状態では足らず、それを超え精神疾患を発症したような場合であれば含まれると考えられています。
>② 精神的苦痛の場合、医療機関(精神科など)を受診していなければ「身体の侵害」には該当しないのでしょうか。
【回答②】
「受診しているかどうか」ではなく「実際に発症したかどうか」が問題ですので、実際に発症していれば精神科などを受診していなくとも身体の侵害に当たり得ます。ただ、精神障害の労災認定が出ていたりする場合でないと、パワハラによって精神障害を発症したことの立証は難しいと思われます。
>③ 不法行為の3年時効が経過していても、「行為の時から20年」という規定があると聞きました。この20年という期間は、3年が過ぎていても適用されるものなのでしょうか。それとも性質が異なる制度なのでしょうか。
【回答③】
この20年という期間は、3年が過ぎていても適用されるものなのでしょうかという質問の答えは、NOです。
20年という期間(消滅時効)は、「損害及び加害者を知らなかったとしても」適用される規定です。
つまり、民法724条は、不法行為の損害賠償請求権は、損害及び加害者を知ってから3年(生命身体侵害の場合は5年:民法724条の2)で、知らなかったとしても不法行為のときから20年で時効消滅する、という規定です。
ありがとうございます。
では安全配慮義務での提訴であれば時効が5年なのでそちらでは有効という認識でよろしかったでしょうか?
安全配慮義務違反についてはそうなります。