弁護士の事実義務について

弁護士の事実義務についてです。
客観的な証拠があることで、明らかな嘘を回答するのは弁護士の事実義務違反にならないのでしょうか?
また、客観的な証拠があることで嘘をつくのであれば、その他の回答内容も嘘である可能性が高いということになりませんか?

回答よろしくお願いします。

弁護士は、当事者の主張や証拠に照らした合理的な真実を尊重する義務(真実義務)を負う一方、依頼者の利益のために誠実に職務を行う義務(誠実義務)も負っています。
したがって、両当事者の主張や証拠に照らして、自分の依頼者の言い分が明らかに虚偽であると思われる場合に、依頼者の言い分をそのまま主張することは、真実義務に反する、ということとなります。一方で、自分の依頼者の言い分が明らかに虚偽とまでは言えない場合に、依頼者の言い分と異なる(弁護士が真実だと思う)主張を勝手に行うことは、誠実義務に反する、ということとなります。

したがって、客観的な証拠から、その主張が「明らかな嘘」であると言い切れる場合には、真実義務に反しているといえます。
また、一般的に、客観的な証拠に明らかに整合しない主張を裁判所が採用することはありませんが、そのような主張をしていることをもって、主張全体が信用できないという評価になることはありません。