飲食店アルバイト退職時の賄い代請求の正当性について
飲食店のアルバイトを退職する際に、勤務回数分の賄い代を請求されているため、正当性があるのかご相談させていただきたいです。
誓約書に「契約期間満了せずに退職する場合、現物支給品の全額返還をします。」という文言がありましたが、賄い1回あたりの金額を知らされたことはありませんでしたし、現物支給品に関する具体的な記述や説明もなく、給与明細にも記載されておりませんでした。
結論から申し上げますと、賄い代の一括請求が正当と認められる可能性は低いと考えられます。
まず、労働契約や誓約書に基づいて労働者に金銭的負担を課すためには、内容が具体的で、労働者が事前に十分理解・同意していることが必要です。
しかし、ご相談の内容を見る限り、賄い1回あたりの金額が事前に明示されておらず、「現物支給品」の具体的内容や返還方法について説明がなく、給与明細にも賄い代や現物支給としての記載がないといった点があり、どのような義務が生じるのかが不明確です。このような条項を根拠に、退職時にまとめて賄い代を請求することは、契約として有効とは言い難いと思います。
また、賄いが日常的に提供されていた場合、それは福利厚生の一環や労務提供に付随する便宜と評価されるように思います。
ご回答いただきありがとうございます。
追加で2点質問させていただきたいのですが、
賄いの金額と現物支給品の具体的内容の説明がなされていなかったことを証明する客観的証拠が無いため、もしお店側が事前に説明していたと主張した場合はどのように話を進めるのが有効と考えられますか。
また、今回賄い一食あたり1100円として請求されていますが、賄いの値段設定についてどのような決まりがありますか。
①「事前に説明していた」と店側が主張してきた場合の対応について
賄い代を請求できるという合意があったことは、店側が立証すべき事項なので、客観的証拠がない中で店側が「説明した」と主張してきた場合には、説明した日時・場所・方法、誰が説明したのか、書面や資料の有無、なぜ給与明細に一切記載されていないのかを具体的に示すよう求めるのが有効です。抽象的に「説明したはず」「口頭で言った」という主張だけでは、合意の立証としては不十分と評価される可能性が高いです。
また、他の従業員も金額を知らされていなかった、賄い代を請求された例がこれまでなかったといった事情があれば、説明や合意がなかったことを裏付ける間接的な事情として有利に働きます。
② 賄い1食1100円という金額設定の妥当性について
賄いの金額について、法律で一律に決まった上限額や固定ルールはありません。
ただし、実際の原価や内容に照らして合理的な金額か、一般的な賄い・まかないの相場とかけ離れていないか、事前に明確な金額提示と合意があったか、特に、事前に金額が示されていなかった場合には、退職時になって一方的に「1食1100円」と設定し、勤務回数分を請求することは、契約内容として認められない可能性があります。
また、賄いが福利厚生的に無償提供されていた実態がある場合には、後から市場価格やメニュー価格を基準に高額請求すること自体が問題視されることもあります。
こちらに賄いをいただくかの決定権はなく福利厚生的に提供されていた実態がありますし、店でお客様に提供するメニューと同じものを賄いでいただくことが多かったのですが、賄いの内容とメニュー価格を比較しても明らかに賄い代の方が高額でしたので、その点も含めてご教示いただいたことをもとに交渉してみます。
ありがとうございました。