税理士法人に賠償請求したい。
消費税還付に関する税務署、および税理士法人とのトラブル。
税理士とは2年間で1度も面談したことがありません。
私の担当は実は無資格の事務員で、今回の件が発覚するまでその担当者を税理士だと思い込んでいました。
この事務員とのメールのやり取りはいつも1対1で、ccで税理士が目を通していることは1度もありませんでした。
その事務員との相談が続いた結果、新設法人の決算時に消費税の還付ができませんでした。
事前に具体的な相談していたにもかかわらずです。
よって税理士法人に対して消費税相当額(約600万円)を賠償請求したいと考えております。
私にも過失(税務署窓口で相談した結果、消費税簡易課税届出書を提出してしまっていた)はありましたが、税理士法人の担当者に課税方式を1度も確認されることなく、決算期を迎えてしまいました。
これには税理士法人の善管注意義務違反があったと思っています。
税理士賠償保険に請求してほしいと依頼しましたが、過失は一切認めず、これ以上請求を続けるなら名誉毀損で訴えるとの書面が代表税理士から届きました。
2年前から別の法人と個人の顧問契約を結んでいましたが、今回の新設法人は顧問契約締結前だから無関係だとも言われました。
でも法人設立に関しての相談(役員構成、出資金、定款など)は1年以上も前からしています。
そして消費税還付のための課税方式以外のアドバイスも受けています。
このようなケースでは、法的手段によって賠償請求することは可能なのでしょうか。
大変お困りのことと思います。
依頼者が税理士と契約して、依頼内容を税理士に対して的確に伝えていたにもかかわらず、税理士が対応を放置した結果消費税の還付が受けられなかった場合には、賠償請求できる余地があります。
本件では、
①過誤があった業務が契約範囲内であるか否かという問題
②税理士本人が税務業務をしていなかったという税理士職務の妥当性の問題
③クライアントが誤って簡易課税届出書を提出していたところ、税理士が課税方式の確認をしなかった問題
という課題があります。
①については、
税理士が責任を持つのは契約に明記された委任事務に限定されるのが原則です。
サービスとして委任事務外の税務相談に応じた結果、その責任を負う場合もゼロではありませんが、責任追及するハードルはかなり上がります。
②については、
実際上、税理士事務所では事務員が顧客対応することが多いと聞きます。
そのため、メールに税理士が参加していないことや直接面談していないことをもって賠償請求の理由とすることは現実問題としては難しい可能性があります。
③については、
税理士が、契約上の委任事務外の税務相談をサービスで実施していた場合は、税理士側から積極的に課税方式を確認しなければならないという程度の注意義務は認められにくいのではないかと思います。
もっとも、顧問契約締結当初から本件法人設立の相談についても依頼しており委任事務に含まれていたと主張できる事情がある場合には、上記より幾分有利に進められるかと思います。
より詳細な検討は、個別に法律事務所に問い合わせて法律相談されるとよいでしょう。
返信が遅くなり申し訳ありません。
親身なアドバイスをいただきありがとうございました。
たいへんうれしく思います。
ご指摘のとおり、税理士との契約関係がかなり曖昧なので、どこまでが責任かを見極めるのが難しいと感じております。
私は今回トラブルとなった法人とは別の法人で、同税理士法人と2年前から顧問契約を結んでいます。
それ以来、法人と個人の申告業務を任せています。
副業で不動産賃貸業を営んでいるため、その分野に詳しいとの説明に従って本業と個人の相談を続けてきました。
その中で資産管理法人を設立するに至ったわけでして、個人事業から派生した法人であることは間違いありません。
その新設法人の設立(出資金、出資者、役員構成など)についても早くから相談していましたので、今回の失態はまさかの事態なのです。
新設法人との顧問契約についても、見積書は提示するものの、いつ契約すればよいかなどは決算期を迎えるまで全く案内がありませんでした。
それでいて消費税還付の相談は受けていたのですから、こちらとしては代表税理士がすべて把握しているものと考えておりました。
ところが私の担当者がすべて答えていましたから、無資格者による相談業務は過失責任を問えるものだと思っています。
いかがでしょうか。
ご記載のように、従来顧問契約の範囲の節税や資産管理のために法人設立し、そのためのアドバイスを受けていたというご事情であれば、契約範囲内であると主張できる余地があると思います。
また、新設法人の顧問契約についての案内がなかった事情はご質問者に有利な評価もし得るでしょう。
事案の詳細な検討が必要ですが、600万円という金額も考慮しますと、弁護士による交渉や訴訟を視野に入れつつ請求することもあり得ると思います。
他方で、補助者に連絡したから税理士が把握していたといえるという問題と、
補助者が相談業務を行なっていたから税理士の過失があるという問題は切り分けて考えたほうがよいように思います。
再びアドバイスいただき、誠にありがとうございます。
十分検討したいと思います。
納得のいく解決ができることを祈念します