土地の貸借に契約書がない場合の法的リスクは?

現在、親が近所の方に数十年間にわたり土地を貸しておりますが、契約書は作成しておらず、口約束のみの状態が続いています。借主からは、地代として毎年固定資産税相当額を受け取っています。当該土地は宅地で、現在は借主が使用する物置小屋が建っている状況です。私共としては土地を自家使用する予定はなく、売却等で手放しても構わないと考えておりますが、借主は今後も借り続けたいという意向を持っています。このように契約書が存在しない状態で貸借を続けた場合、貸主側として将来的にどのような法的リスクや不利益を被る可能性があるかご教示いただけますでしょうか。

現在のように、契約書を作成せず、口約束のみで長年土地を貸し続けている場合、貸主側には将来、次のような法的リスクや不利益が生じる可能性があります。

1「借地権」が成立していると判断されるリスク

契約書がなくても、長年にわたり土地を使用させている、毎年地代を受け取っている、借主が土地上に自分の建物(物置小屋など)を建てているといった事情がある場合、法律上はすでに「土地の賃貸借契約(借地)」が成立していると判断される可能性があります。
もし「借地権」が成立していると判断されると、貸主の都合だけでは土地を返してもらえない、契約を終わらせるには、正当な理由が必要、実質的に、半永久的に土地を使われ続ける可能性があるという非常に強い権利が、借主側に認められてしまいます。

2 契約内容が曖昧なことによるトラブルリスク

契約書がないため、いつまで貸すのか、いつ、どのように解約できるのか、地代を将来上げられるのか、土地の使い方に制限はあるのかといった重要な点が一切はっきりしていません。
将来トラブルになった場合「長年この条件で使ってきた」「それが当初の約束だった」などと借主に主張されると、貸主側が不利な判断を受けやすくなります。

3 土地を売却しにくくなるリスク

将来、土地を売却しようとした場合、借地権が付いた土地として評価される、更地として売るより大幅に安くなる、買い手が見つかりにくくなるといった不利益が生じる可能性があります。