婚姻費用の一方的減額は法的に許されるのか?

現在、夫と約7年間ほぼ別居しており、未成年の子ども3人を私が監護しています。
婚姻費用はこれまで支払われていましたが、夫が代理人弁護士を立て、2026年2月から婚姻費用を減額する旨を一方的に通知してきました。事前の協議はありません。

夫は有限会社の代表で給与所得者です。私の知らない間に、約17年間、同社の取締役に就任していた期間があり、その後辞任していることが判明しました。就任・辞任いずれも印鑑を押した記憶はなく、役員報酬も受け取っていません。

子どもは3人とも未成年で、進学・卒業を控えた時期にあります。長男は卒業後に全寮制学校へ入学予定ですが、入学前の段階でこれを理由に婚姻費用を減額することが一般的に認められるのか疑問です。

【相談したい点】
① 婚姻費用を一方的に減額することは法的に可能か
② 身に覚えのない取締役の就任・辞任が、婚姻費用や離婚条件の交渉で考慮される可能性はあるか

① 婚姻費用を一方的に減額することは法的に可能か
→ 婚姻費用を一方的に減額された場合、婚姻費用支払について公正証書・調停調書等があれば、その内容どおりの支払をするよう求めた上で、場合によっては強制執行することも可能です。一方で、相手方がいままで任意で支払ってきたにすぎず、支払について協議することも難しいような場合には、相談者さまから夫に対して婚姻費用分担調停を申し立てて、相当額を支払うよう求めることとなろうかと思います。また、一般論として、長男が全寮制学校へ入学予定であるという事実のみをもって、婚姻費用の減額が当然に認められるものではありません。

② 身に覚えのない取締役の就任・辞任が、婚姻費用や離婚条件の交渉で考慮される可能性はあるか
→ 婚姻費用は双方の収入に応じて決されますので、相談者さまが役員報酬その他の報酬を受け取っているということを相手方が積極的に主張立証してこない限り、上記事情が不利に働くことはあまり考えられません。相談者さまからは、離婚に至る事情の一つとして、無断で取締役にされていたこと等を主張していくこととなるでしょう。

先日はご回答ありがとうございました。
ご回答を踏まえたうえで、離婚裁判を見据えた場合の位置づけについて、もう一点確認させてください。

私が懸念しているのは、無断で取締役に就任・辞任させられていた事実それ自体というよりも、それが将来的に
•夫個人と会社との資金関係の不透明性
•役員報酬や実質的収入の把握
•申告されている収入額の信用性
といった点に影響するかどうか、という点です。

具体的には、
1.離婚裁判において、
「配偶者に無断で長期間役員登記を行っていた」という事実を主張することで、夫の収入・財産申告の信用性に疑義があるとして、裁判所に対し
 - 確定申告書
 - 源泉徴収票
 - 役員報酬の有無
 - 会社と個人の資金関係
などの開示や調査の必要性を基礎づける材料になり得るでしょうか?
2.この点は、婚姻費用の算定とは切り離されるとしても、財産分与や離婚条件の判断過程において、裁判所が会社関係資料の提出や調査嘱託を検討する一因となる可能性はありますか?
3.仮に夫が「会社からの報酬は給与のみ」と主張していた場合でも、無断役員登記の経緯があることで、申告外収入や収入調整の有無を確認する必要性があるとして、追加的な立証や資料提出が求められるケースはありますか?

以上の点について、「無断の役員登記・辞任」という事情が、離婚裁判における調査範囲拡大の根拠になり得るかどうかという観点でご教示いただけますと幸いです。