会社のPCで私用メールをチェックするのは合法ですか?解雇は妥当?

上場前のベンチャーです。

会社のパソコンで、
会社メール以外に、
個人的なGmailを使っております!
我が社では、
みんなそうしております。

先日、
人事部の方が
システム部の方を使って
一斉に、
情報漏洩のチェックとばかりに、
パソコンを取り上げて、
その個人的なGmailまで、
中身のチェックをしました!

社員みんな
不満だらけです。

オーナー企業ですが、
これは合法ですか?
プライバシーも何もあったものではなく!

そして、
その中から、
私を含む、
3人が解雇にさせられてしまいました。
理由は
会社批判が多く
能力不足のため
だそうです。

会社は経費削減のため、
解雇する人を常に探しております。

こんな理由で解雇にできますか?

私は、
年俸1800万円の財務部長です。
無期限の正社員です?

まずは、
労働審判をするのが良いでしょうか?

解雇理由を作るために、
プライベートのGmailを見られてしまったのですが、
これは犯罪ではないですか?

会社が従業員が使用する会社のパソコンの利用状況を一定の場合にモニタリング(監視・調査)できることは、裁判例でも認められています。
しかし、今回のケースのように個人のGmail(プライベートな領域)の中身まで踏み込むには、高いハードルがあります。
本当にそこまで見る必要性があったのか、他の手段ではダメだったのか、プライバシーを過度に侵害していないか、などを総合的に考慮して判断する必要があります。情報漏洩等の具体的な疑いもない段階で、一斉に個人のメール内容までチェックしたのであれば、行き過ぎた調査として違法性を問える可能性はあります。

解雇については、私的なメールのやり取りにおいて会社の批判をした程度であれば、解雇事由にあたる可能性は低いと考えられます。
不当解雇を争う方法として、労働審判は一般的な手段です。ただし、労働審判は手続きが早く終わる(迅速)のがメリットですが、その分1回目の期日までにほぼ全ての主張・証拠を出し切る必要があり、十分な準備が必要です。また、場合によってはいきなり裁判所の手続き(労働審判)を使わず、弁護士に代理人になってもらい会社と交渉を行うことで早期に解決できる場合もあります。解雇を争う余地があるか否かも含め、直接弁護士に相談されることをお勧めいたします。

上場前のベンチャーにしては、荒っぽいやり方ですね。コスト削減目的とはいえ紛争リスクの高い措置を取るのはかなり冒険だと思います。

私用メールのチェックが合法かと言うと、裁判所は必要性と相当性で判断します。その人の私用メールをチェックする必要がある何らかの正当な理由があり、入手した情報を正当な目的のみに限定して使用したかが問われます。

会社批判をあぶり出す目的だとすると、完全に違法とまでは言えないかもしれません。事案の内容は違いますが、私用メールのチェックを違法とまで言えないと認めた裁判例はいくつかあります。

解雇の妥当性はまた別の問題です。
メール上の会社批判によって職場の人間関係が悪化して、業務に滞りが生じたとまで言えるのか、能力不足は改善の余地がないほど致命的なのか、という観点から判断されるでしょう。

一般的に言えば、会社批判や能力不足を理由に解雇するのはかなり難しいでしょう。

既に3人が解雇されたのであれば、3人で証拠を持ち寄って協力し、代理人弁護士を通して和解交渉を試みて、その上で労働審判を申立てるのが良いと思います。