真の支払先か不明な債権回収業者に対して支払いを拒めるか・訴訟提起後の債権回収業務委託通知は有効か
クレジットカード会社Aに対する滞納で訴えられました(簡裁)。Aは系列のサービサーBに債権回収業務を委託しており、Bが原告、債権譲渡は行われておらず債権者はAのままです。
答弁書で、「AまたはBは、債権回収業務がBに委託された旨の正式な(内容証明郵便で)通知を私に行わなかったのだから、Bが真に債権回収委託を受けたものかは不明である。よって原告の請求棄却を求める」と主張することは有効そうでしょうか?
また、この訴訟はすでに提起されているわけですが、判決が出る前にそうした通知が後出しじゃんけん的になされた場合、原告は「通知を行ったのだから払え」と主張できるでしょうか?
以上、質問2点です。よろしくお願いします。
答弁書で、「AまたはBは、債権回収業務がBに委託された旨の正式な(内容証明郵便で)通知を私に行わなかったのだから、Bが真に債権回収委託を受けたものかは不明である。よって原告の請求棄却を求める」と主張することは有効そうでしょうか?
→訴状添付の甲号証にクレジットカード会社の規約があれば、まずその規約を読み込む必要があるでしょう。その上で、当該規約に、原告サービサーに債権回収業務を委託する旨の文言があれば、「債権回収会社は、委託を受けて債権の管理又は回収の業務を行う場合には、委託者のために自己の名をもって、当該債権の管理又は回収に関する一切の裁判上又は裁判外の行為を行う権限を有」(債権管理回収業に関する特別措置法11条1項)するため、ご相談者様が摘示するような主張を行っても、あまり意味のある主張とはならないと考えます。他方で、訴状添付の甲号証にそのような規約がないのであれば、摘示の主張を行い、原告側に委託を受けたことを示す追加の立証を求めることとなるでしょう。もっとも、原告サービサーが委託を受けていないにもかかわらず、訴訟提起をしてきたという可能性は、現実的には非常に低く、何らかの追加立証がなされる見込みが高いでしょう。そのため、摘示の主張を行うことは、追加立証のための期日を重ねるという時間稼ぎの意味はあるものの、請求棄却につながるような主張になるかというと、そうはならないと考えます。
(受託債権の管理又は回収の権限等)
第十一条 債権回収会社は、委託を受けて債権の管理又は回収の業務を行う場合には、委託者のために自己の名をもって、当該債権の管理又は回収に関する一切の裁判上又は裁判外の行為を行う権限を有する。
私の攻め方としてはですね、委託の事実を争うのではなくて、正当な回収業務受託者だと私に(内容証明で)通知しなかったのだから、対抗要件を備えておらず原告適格がない、というような流れです。回収委託であっても対抗要件を備えるのは法の趣旨から言って当然だと。平たく言えば突然何の知らせもなく表れた受託者に払う義務があるというのは通常不合理だ、という感じですね。
そうなのですね。
①委託であっても債権譲渡と同様に対抗要件具備が必要であること、②必要であるとして、譲渡人による債務者への通知又は債務者の承諾がない、ということを主張することになろうかと思います。
以上、ご参考になれば幸いです。