賃貸契約違反の是正後でも更新拒否は有効か?

賃貸マンションに家族5人で住んでいます。
居住期間は20年/普通借家契約です。
家賃の滞納はありません。

今月が更新日でしたが10月末頃に突然「オーナーが更新拒否したいので半年後に退去してください」と管理会社より初めての連絡がありました。

当方の債務不履行
敷地内のバイク不法駐車(5台)/玄関前共用部の私物放置/賃貸契約中の敷地内駐車場内の空きスペースの契約外駐車
いずれも3年以上の長期にわたるものです。

現在オーナーは代理人を立てており、内容証明にて期日内の是正の通告が来ました。すべて期日内に是正しましたが、賃貸契約中の駐車場3区画の1月末までの明け渡しと、住居の賃貸契約の解除(5月末まで)を申し付けられました。

当方の契約違反で悪いのは大前提で相談させていただきます。

今まで口頭による注意は2〜3回ありましたが、偶然管理会社の人と会った時に言われるぐらいでした。書面などによる正式な書面などによる警告などは一度もありませんでした。空きスペースに停めていた車両については今回初めて言われました。

もしも話になってしまいますが、事前に正式な警告などがあれば是正していたはずです。現に今回初めての通告で是正しております。

①段階的な流れとして正式な警告・勧告などがなくても、突然の更新拒否・退去勧告は有効なのでしょうか?

②更新日1ヶ月前の更新拒否通知は問題でないほど、重大な正当事由に当てはまりますでしょうか?
(先方の代理人はその点について触れないようにしている感じがあります。)

③初めて今回正式な通告をいただき、期限内に是正したにもかかわらず、先方の言うままに5月末に退去しなければならないのでしょうか?

④他の居住者も敷地内にバイクを駐車したり、玄関前共用部に私物を置いたりしています。当方の度合いがひどかったのかとは思いますが、公平性について疑問を感じます。

以上となります。

至らない文章で申し訳ございません。
ご助言いただけましたら幸いでございます。
どうぞよろしくお願いいたします。

借地借家法上、期間の定めのある建物賃貸者契約の更新拒絶については、期間の満了の一年前から六月前までの間に、賃貸人から賃借人に更新拒絶の通知をしなかったときは、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなすとされています(借地借家法第26条1項)
 また、賃貸人側から賃借人に対して期限内の更新拒絶の通知がなされた場合でも、建物の賃貸借の期間が満了した後、建物の賃借人が建物の使用を継続する場合において、建物の賃貸人が賃借人に対し、遅滞なく異議を述べなかったときも、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなすとされています(借地借家法第26条2項)。なお、この規定は、建物賃貸者契約の解約の申入れの場合にも準用されています(借地借家法第27条2項)。
 さらに、賃貸人側が更新拒絶をしようとしても、当然に認められるわけではなく、更新拒絶には借地借家法第28条の「正当の事由」が存在する必要がありますが、あなたのケースでは、正当の事由が存在するのか疑義があるところです。
 このように、賃貸人側からの更新拒絶には、借地借家法上の厳しい要件が定められており、あなたのケースでは、更新拒絶を理由とする賃貸人側からの退去要求は認められない可能性があります。
 そのため、賃貸人側がこれまで余り指摘してこなかったような点を持ち出し、賃借人としての義務に違反したことを理由に債務不履行解除を主張し出したものと思われます。
 しかしながら、賃貸借契約の債務不履行解除が認められるためには、賃貸人と賃借人との間の信頼関係が破壊されたと言える必要があります。
 あなたのケースでは、賃貸人側が持ち出して来た事項はこれまで余り問題視されていない事項であること、指摘を受けて速やかに改善をしていること、他の居住者との均衡等の事情からすれば、信頼関係が破壊されるまでには至ってはいない可能性があり、賃貸人側の債務不履行解除も認められない可能性があります。
 このように賃貸人側からの退去要求を防ぐことができる可能性がありますので、いずれにしましても、賃貸人側の主張を鵜呑みにせず、より詳しくは、お手もとにある賃貸借契約書や賃貸人側からの通知等を持参の上、お住まいの地域等の法律事務所や弁護士に直接相談なさってみてください。

清水先生、
ご丁寧かつ大変心強いご回答をいただきまして、
心より感謝申し上げます。ありがとうございます。

■12/16代理人より合意書が送られてきました。
・5月末までの明け渡し
・1月末までの3区画駐車場明け渡し
・1〜5月まで損害賠償として家賃を支払う

■12/18代理人との電話連絡にて
専門学生の娘の学費で140万かかるため、
現実的に経済的に引っ越し費用の捻出が難しいと相談したところ『こちらは引越し費用は出しませんよ?』とのこと。

同日夜、代理人より電話連絡にて
『12/10まで猶予期間を延ばしますが、出来ればそれよりも前に出ていってほしい』とのこと。
立ち退き料の請求されることを懸念してのことなのか?延期の理由は不明です。

■12/19清水先生よりご回答をいただきました。
回答を読ませていただいて、その内容を盾に『引越し費用と立ち退き料』を請求したいと考えました。

主人は、猶予期間を伸ばしてもらったし、これ以上こじれるのは心配なので前述の合意書に合意する意向です。

私としては、理不尽な退去要求に納得がいかないため、『1年後の退去の合意には応じるが、引越し費用・立ち退き料の検討の余地があるのか』
正式に弁護士に依頼し、書面にて意思表示をしたいと考えています。

①上記のようなことをすると、やはりこじれて裁判などに持ち込まれるのでしょうか?

②主人の言うように素直に合意に応じて、大人しくしていたほうが良いのでしょうか?
(代理人曰く、オーナーも裁判はしたくないとは言っているようですが…わかりません経済的には強者ですので)

③立ち退き料などが支払われることによって、退去費用のふかしなど嫌がらせなども心配です。

■来年12/10に猶予期間を変更した合意書をあらためて送ってくれるそうです。

今後の動きとして、弁護士事務所に相談に行く予定ではありますが、①②③についてご助言いただけましたら幸いです。
何卒よろしくお願い申し上げます。