パワハラの疑いについて:会議での対応とその影響は?
パワハラ加害者として会社に通報されました。社員(20名程度)が集まる会議での業務勉強会の講師を入社2年目の社員に依頼しました。業務要領を読み上げる事で勉強会とする内容も伝えてありました。当日、その社員は自分の失敗事例だけをを発表しだし、当方の意図と違う形になりそうだったので発表を止めさせ、フォローの説明を当方で言って終わらせました。
翌日からその社員はメンタルを理由に出社しなくなりパワハラの通報をした経緯です。
パワハラに該当するのでしょうか。
会社の事実確認はありましたが、6対1の高圧的なパワハラと決めつけた手法で行われ、ほぼ自白強要させるような印象でした。
職場におけるパワハラは、
優越的な関係を背景とした言動
業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの
労働者の就業環境が害されるもの
をいいます。
1. 優越的な関係について
相談者様は、部下である社員に対して業務上の指示(勉強会の講師依頼や内容の指示)を行う立場にあります。このような職務上の地位や人間関係は「優越的な関係」と判断される可能性が高いと考えられます。
2 業務上必要かつ相当な範囲を超えたかについて
この点が、パワハラに該当するかどうかの最も重要な判断基準となります。業務上の指導とパワハラの境界は判断が難しい場合があります。
業務上の必要性: 勉強会の目的から逸脱した発表を止めさせ、軌道修正を図る行為自体には、業務上の必要性があったと考えられます。
言動の相当性: 問題となるのは、その「止めさせ方」が社会通念に照らして相当であったかどうかです。判例では、注意・指導の内容が適切であっても、他の労働者が見ている前(衆人環視)で叱責するなどの行為は、労働者に過度な圧迫を与えるものとして、業務の適正な範囲を超えると判断される可能性が指摘されています。
厚生労働省の指針でも、パワハラの「精神的な攻撃」の例として、「他の労働者の面前における大声での威圧的な叱責を繰り返し行うこと」が挙げられています。ご相談のケースは、20名程度の社員が集まる会議の場であり、「衆人環視」の状況であったことから、発表を中断させた際の具体的な口調や態度(威圧的でなかったか、人格を否定するような言葉はなかったかなど)によっては、業務上相当な範囲を超えた行為と評価される可能性があります。
3. 就業環境が害されたかについて
ご相談のケースでは、社員の方が精神的な理由で出社できなくなっていることから、主観的には就業環境が害された状態にあるといえます。衆人環視の場で発表を止められるという行為が、客観的に見ても「社会一般の労働者が就業する上で看過できない程度の支障が生じたと感じる」ようなものであったかどうかが問われます。
結論
ご相談の行為がパワハラに該当するかは、一概に断定できません。勉強会の軌道修正という業務上の必要性は認められるものの、「20名程度の社員の前で発表を止めさせた」という行為の態様が、社会通念上許容される範囲を超えていたかどうかが最大の焦点となります。
ありがとうございます。
発表を中止させた時は、大きな声で叱責や意図と違う事を責める言い方はしていません。社内で問題視されているのは、入社2年目の職員に衆人環視の中で失敗事例を言わせた事がフォーカスされてます。ただ、失敗事例を言えとは絶対に言ってませんし、業務要領を知らない人もいるからと思い要領を読むだけで良いと伝えました。被害者にはもう少し事前に打合せとかしてあげれば良かったと今は思っていますが、当時は現在進行系で進んでいるなかでしたので止めるしかできませんでした。何か会社側も加害者にしたがっている感じがして仕方がないです。