映画のモザイクを外して上映したい

(状況)
とあるイベントを撮影した、ドキュメンタリー映画を制作いたしました。

主催との間では、出役ではない一般来場客にはモザイクをかけて撮影する取り決めでしたが、上映に際してモザイクをやはり外せないか?と検討しております。

それに際して、主催にご迷惑をおかけしない形を作ってから、主催に相談/交渉したいと考えており誓約書の制作を検討中です。

(質問1)
「何か起きた時の責任は、全てクリエイターである私個人が負います」と主催に誓約書を渡すことに効果はありますでしょうか?それとも肖像権侵害等の問題が起きると、何をしても主催責任になってしまうのでしょうか?

(質問2)
誓約書はWEBで手に入る無料テンプレートをいじって、「肖像権侵害の全責任は私〇〇が負います」と書いて、ハンコを押せば有効でしょうか?他にこのケースで想定される注意点はございますでしょうか?

貴殿が「(責任は)私個人が負います」という書類を差し入れたとしても、それは主催者との間での約束にすぎず、肖像権侵害を主張する者との間で主催者が免責される根拠になりません。本件の事情を見る限り、モザイク処理は主催者のリスク回避策という意味合いが強く、モザイクを外して上映することを主催者が承諾するとも思われません。

イベントのチケットの規約で動画撮影を行うことを明記しているなどの事情があれば、来場者の黙示的な合意があると解釈する余地があるかもしれませんが、そうでない限りモザイクなしでの公開は肖像権侵害等のリスクが高いと思われます。
誓約書は主催者とあなたとの間において効果がありますが、一般来場客に対して効力を持つものではなく、一般来場者が主催者を訴えること自体は止めることができません。一般来場者からすれば、「主催者のイベントで撮影されたのだから、主催者にも責任がある」と考えます。つまり、主催者は一度は矢面に立たされ、世間や被害者からのクレームに対応しなければならないというリスクは残ります。このため主催者側が受け入れる可能性は低いように思われます。
主催者側が誓約書を受け入れるとしても、「肖像権侵害の全責任は私〇〇が負います」だけでは責任の範囲が曖昧であり、金額の負担だけでなくクレーム等にも対応するのか、風評被害等による損害の責任も負うのか、映画の公開を中止するのか等検討する事項が多いため、無料のテンプレートでは不十分と思われます。