なかむら せいじ
中村 誠志弁護士
中村法律事務所
神戸駅
兵庫県神戸市中央区相生町5-10-18 シティビル神戸605
離婚・男女問題の事例紹介 | 中村 誠志弁護士 中村法律事務所
取扱事例1
- DV・暴力
これまで耐えて来られた女性が再度の暴力に耐えかねての離婚請求
依頼者:女性
【相談前の状況】
解決から相当の期間が経ちましたが、この方は今でも覚えているぐらい憔悴された表情でご相談に来られました。その時のお話では、過去の暴力のお話をされ、私も何とか聞いておりましたが凶器を出す等あまりにもひどいもので、聞くに堪えないものでした。それでも当初依頼者様はこのまま離婚に進んでいいか悩まれていたようで、私としては早急に離婚に進むべきと考えましたが、相談できる娘さんがいるとのことでしたので、一度一緒にご相談に来て頂くようお伝えしました。その中で、もう十分我慢したのではないか、その際のご本人のお話では相手方財産をほとんど把握してなかったこともあり、お金も大切ではあるが、早く離婚しないと命にかかわるし、人生が楽しくないと思いますとお伝えしました。それを受けて涙を流しながら、ぜひ一緒にやって頂きたいとご依頼を頂きました。
このような経緯でしたので、当初はご依頼者様にご負担をかけないことが何よりでしたので、早急に別居して頂き、その上で何とか交渉でまとめないといけないという使命感を持って進めておりました。
【解決への流れ】
ご依頼頂いた後、おそらく翌日ぐらいに書面を相手方に送付しました。その際に、事前に依頼者様とお話し、相手方から連絡来ると思うので何かあったら私に連絡するようにと直接の連絡は控えるようにお願いしておりました。その約束を守って頂き、すぐに連絡を頂いたのと同時に、私の言ったとおりになったことに対して、感心されるぐらいの余裕は持たれておりました。
これも依頼者様と事前に打ち合わせしておりましたが、協議解決の可能性を上げるために具体的な内容を書面にするとお話しておりました。その甲斐が功を奏した面もあり、相手方は早い段階で弁護士のところにご相談に行かれ、その弁護士との協議に移ることができました。
相手方弁護士との協議に移った後は、相手方弁護士は相手方本人との対応に相当苦慮していたようですが(依頼者様が大変だろうとお話しておりました)、実際に協議をしていると想定の5倍以上の金額の給付を受けることができ、無事協議で解決に至ることができました。
【弁護士からのコメント】
この事案については、私が言うのもなんですが、私と依頼者様の作戦勝ちだったと思っております。
まず、受任の段階で相手方が弁護士に相談に行くよう少し踏み込んだ内容の書面を作成したこと、弁護士依頼後は、依頼者様と相談してこれまでの経緯をなるべく具体的に書いて頂いて、相手方弁護士に事情を把握してもらいました。それを踏まえてかどうかまでは確認できませんでしたが、相当の金額の金員の給付(終わった後に、このお金で当面は大丈夫そうですと言って頂きました)を受けることでの解決ができました。その中で思い出したくはないけど、これで報われた気がしたと言って頂いたことは今も忘れられません。
事件終了後も、直筆のお手紙を頂くなど私にとってすごく思い出深い事件です。類型化するのでなく、お客様毎のカスタマイズされた方針の重要さを改めて実感させられた事案でした。
解決から相当の期間が経ちましたが、この方は今でも覚えているぐらい憔悴された表情でご相談に来られました。その時のお話では、過去の暴力のお話をされ、私も何とか聞いておりましたが凶器を出す等あまりにもひどいもので、聞くに堪えないものでした。それでも当初依頼者様はこのまま離婚に進んでいいか悩まれていたようで、私としては早急に離婚に進むべきと考えましたが、相談できる娘さんがいるとのことでしたので、一度一緒にご相談に来て頂くようお伝えしました。その中で、もう十分我慢したのではないか、その際のご本人のお話では相手方財産をほとんど把握してなかったこともあり、お金も大切ではあるが、早く離婚しないと命にかかわるし、人生が楽しくないと思いますとお伝えしました。それを受けて涙を流しながら、ぜひ一緒にやって頂きたいとご依頼を頂きました。
このような経緯でしたので、当初はご依頼者様にご負担をかけないことが何よりでしたので、早急に別居して頂き、その上で何とか交渉でまとめないといけないという使命感を持って進めておりました。
【解決への流れ】
ご依頼頂いた後、おそらく翌日ぐらいに書面を相手方に送付しました。その際に、事前に依頼者様とお話し、相手方から連絡来ると思うので何かあったら私に連絡するようにと直接の連絡は控えるようにお願いしておりました。その約束を守って頂き、すぐに連絡を頂いたのと同時に、私の言ったとおりになったことに対して、感心されるぐらいの余裕は持たれておりました。
これも依頼者様と事前に打ち合わせしておりましたが、協議解決の可能性を上げるために具体的な内容を書面にするとお話しておりました。その甲斐が功を奏した面もあり、相手方は早い段階で弁護士のところにご相談に行かれ、その弁護士との協議に移ることができました。
相手方弁護士との協議に移った後は、相手方弁護士は相手方本人との対応に相当苦慮していたようですが(依頼者様が大変だろうとお話しておりました)、実際に協議をしていると想定の5倍以上の金額の給付を受けることができ、無事協議で解決に至ることができました。
【弁護士からのコメント】
この事案については、私が言うのもなんですが、私と依頼者様の作戦勝ちだったと思っております。
まず、受任の段階で相手方が弁護士に相談に行くよう少し踏み込んだ内容の書面を作成したこと、弁護士依頼後は、依頼者様と相談してこれまでの経緯をなるべく具体的に書いて頂いて、相手方弁護士に事情を把握してもらいました。それを踏まえてかどうかまでは確認できませんでしたが、相当の金額の金員の給付(終わった後に、このお金で当面は大丈夫そうですと言って頂きました)を受けることでの解決ができました。その中で思い出したくはないけど、これで報われた気がしたと言って頂いたことは今も忘れられません。
事件終了後も、直筆のお手紙を頂くなど私にとってすごく思い出深い事件です。類型化するのでなく、お客様毎のカスタマイズされた方針の重要さを改めて実感させられた事案でした。
取扱事例2
- 不倫・浮気
ゼロ解決事案
依頼者:女性
1 ご依頼前の状況
この方について、初回の相談の際に特になぜ自分がこのような仕打ちを受けないといけないのですかと言われていたのが今でも印象的です。
実際この方は、交際している方に結婚している事実を知らされず将来を見据えて交際していたにもかかわらず(この点は相手方ともそのようなやり取りがありました)、突然交際している方の妻が就けた弁護士から不貞行為を理由とする損害賠償請求の書面が届いたという状況で弁護士としても交際相手に一言言いたいといった状況でした。
そのような状況の中、弁護士から書面が来ている中これを無視すると裁判になりかねないということでご依頼頂き、この後相手方と交渉することになりました。
2 当初の状況
皆様もインターネット記事等で不貞相手に慰謝料する際に、相手方が性交渉を行うに際して婚姻関係の存在を知っているもしくは知らないことに過失があることが必要であると見られたことはあるかと思われます(裏を返させば請求を受けている側が反論するには知らなくかつ知らないことに過失がないことまで主張する必要があります)。もちろん、これ自体は正しいのですが、これを満たすためにどのような内容を主張するのかといったことまで十分に考える必要がございます。
本件では、相手方代理人に対して、即座にそもそも依頼者と交際相手はいわゆるマッチングサイトで知り合った関係であること、マッチングサイトの規約で登録するに婚姻していないことを要件としていること、交際時にも指輪を付けておらずかつ将来の展望の話をしていたこと(実際にラインのやり取りも残っておりました)などを記載した書面を依頼を受けて2,3日で送付しました。
3 その後の状況
その後、待てどくらせど連絡は来ず、どうなったのか依頼者と話をしておりました。私の経験上、このような場合(連絡に相当時間がかかる場合です)、弁護士として不足な事態(想定内容と違う場合)が生じたことが多く今回もそうなのかなとは考えておりました。さぞ、こちらの書面をみて驚いただろなと感じ、依頼者様ともそのような話をしながらゆっくり待っておりました(実際に当時の書面は上で挙げたような事実を示す裏付けが十分にあり、相手の立場であればどうするかというのを今でも考えておりますが相当期間が経っておりますが明確な回答は自分の中で見つけられておりません)。
さすがに長くかかり過ぎだなと感じ、相手方代理人に連絡したところ、もう少しで連絡するから待って欲しいというものでした。その後連絡を確認すると、この件が影響したのか分かりませんが、状況を踏まえてであるが現状こちらへの請求は考えていないとのものでした。
何とも歯切れの悪い回答ですが、弁護士目線としては、請求を取りやめにすることを明示できないことからこのような言い方をしているのではと分析し、依頼者様にご報告し、ご安心され喜ばれていたのを今でも覚えております。その後私としても個人的に許せなかったので、交際相手に対して請求をすることについてどうするか確認しましたが、許せないがあまり思い出したくないといった思いをお持ちのようでかなり悩まれており時効の範囲ではいつでも対応すると言って本件を終了しました。
4 弁護士中村より本件を振り返って
同種の事案も似たようなものを対応することが少なくなり、それこそ裁判対応した事案もありましたが、本件のように相応の証拠があれば裁判所は慰謝料請求を認めない傾向にあります。
この種の事案に限らず、残しておくことにこそ意味のある特別な事情や証拠を除いて早めに少なくとも相手方代理人には意味づけをした上で伝えることが大事であると考えております。今回は特にですが、早めにこういう作業をすることで、相手方代理人が本人に伝えたことでこのような良い結果に繋がったのではと分析しております。弁護士によって色んな考え方がありますが、私としては基本的にこのような考えをもっており、前述の裁判の事案でもこのような手法で裁判官が早い段階でこちらの内容が正しいのではと考えてくれ、相手方に対し、何か他に主張がないか裏付けがないかと確認していたのが印象的です。
この事案自体、個人的に交際相手の対応に許せないものがあり、そこまで言わなくてもと依頼者様に言われることもありました。私としては、ご依頼者様の気持ちになり、もしくはそれ以上の気持ちで一緒に事件と向き合っていきたいと考えております。
私自身このような弁護士ですので、一緒に問題を解決したいと思われた方はぜひ一度ご連絡下さい。法的に解決が困難である場合は、面談の際もしくはお電話でその旨正直お伝えさせて頂きます。
この方について、初回の相談の際に特になぜ自分がこのような仕打ちを受けないといけないのですかと言われていたのが今でも印象的です。
実際この方は、交際している方に結婚している事実を知らされず将来を見据えて交際していたにもかかわらず(この点は相手方ともそのようなやり取りがありました)、突然交際している方の妻が就けた弁護士から不貞行為を理由とする損害賠償請求の書面が届いたという状況で弁護士としても交際相手に一言言いたいといった状況でした。
そのような状況の中、弁護士から書面が来ている中これを無視すると裁判になりかねないということでご依頼頂き、この後相手方と交渉することになりました。
2 当初の状況
皆様もインターネット記事等で不貞相手に慰謝料する際に、相手方が性交渉を行うに際して婚姻関係の存在を知っているもしくは知らないことに過失があることが必要であると見られたことはあるかと思われます(裏を返させば請求を受けている側が反論するには知らなくかつ知らないことに過失がないことまで主張する必要があります)。もちろん、これ自体は正しいのですが、これを満たすためにどのような内容を主張するのかといったことまで十分に考える必要がございます。
本件では、相手方代理人に対して、即座にそもそも依頼者と交際相手はいわゆるマッチングサイトで知り合った関係であること、マッチングサイトの規約で登録するに婚姻していないことを要件としていること、交際時にも指輪を付けておらずかつ将来の展望の話をしていたこと(実際にラインのやり取りも残っておりました)などを記載した書面を依頼を受けて2,3日で送付しました。
3 その後の状況
その後、待てどくらせど連絡は来ず、どうなったのか依頼者と話をしておりました。私の経験上、このような場合(連絡に相当時間がかかる場合です)、弁護士として不足な事態(想定内容と違う場合)が生じたことが多く今回もそうなのかなとは考えておりました。さぞ、こちらの書面をみて驚いただろなと感じ、依頼者様ともそのような話をしながらゆっくり待っておりました(実際に当時の書面は上で挙げたような事実を示す裏付けが十分にあり、相手の立場であればどうするかというのを今でも考えておりますが相当期間が経っておりますが明確な回答は自分の中で見つけられておりません)。
さすがに長くかかり過ぎだなと感じ、相手方代理人に連絡したところ、もう少しで連絡するから待って欲しいというものでした。その後連絡を確認すると、この件が影響したのか分かりませんが、状況を踏まえてであるが現状こちらへの請求は考えていないとのものでした。
何とも歯切れの悪い回答ですが、弁護士目線としては、請求を取りやめにすることを明示できないことからこのような言い方をしているのではと分析し、依頼者様にご報告し、ご安心され喜ばれていたのを今でも覚えております。その後私としても個人的に許せなかったので、交際相手に対して請求をすることについてどうするか確認しましたが、許せないがあまり思い出したくないといった思いをお持ちのようでかなり悩まれており時効の範囲ではいつでも対応すると言って本件を終了しました。
4 弁護士中村より本件を振り返って
同種の事案も似たようなものを対応することが少なくなり、それこそ裁判対応した事案もありましたが、本件のように相応の証拠があれば裁判所は慰謝料請求を認めない傾向にあります。
この種の事案に限らず、残しておくことにこそ意味のある特別な事情や証拠を除いて早めに少なくとも相手方代理人には意味づけをした上で伝えることが大事であると考えております。今回は特にですが、早めにこういう作業をすることで、相手方代理人が本人に伝えたことでこのような良い結果に繋がったのではと分析しております。弁護士によって色んな考え方がありますが、私としては基本的にこのような考えをもっており、前述の裁判の事案でもこのような手法で裁判官が早い段階でこちらの内容が正しいのではと考えてくれ、相手方に対し、何か他に主張がないか裏付けがないかと確認していたのが印象的です。
この事案自体、個人的に交際相手の対応に許せないものがあり、そこまで言わなくてもと依頼者様に言われることもありました。私としては、ご依頼者様の気持ちになり、もしくはそれ以上の気持ちで一緒に事件と向き合っていきたいと考えております。
私自身このような弁護士ですので、一緒に問題を解決したいと思われた方はぜひ一度ご連絡下さい。法的に解決が困難である場合は、面談の際もしくはお電話でその旨正直お伝えさせて頂きます。
取扱事例3
- 不倫・浮気
相場より相当額慰謝料の取得
依頼者:男性
1 ご依頼前の状況
この方については、「相手方が許せない」と強くお話されていたのが今でも印象的です。その内容を聞いてみると、過去に配偶者と不貞行為が見つかり、その時は今後接触しないことを誓約し、次にそのような行為を行った場合は、予め決めた金額の支払いを行うといった内容での合意書を作成されておりました。そのような内容であるにもかかわらず、私が確認した限り、10回程度の接触があり、加えて相応の性交渉も確認できるとのことでした。その上で、本人間の話ではしらを切っているとのようでその点からも言語同断だなといった印象を受けていました。
そのようなお話を聞いて、私ももちろん相談者様と同じ感情を持ちましたし、それこそ一度の約束を守らないばかりかあげくの果てにまだ認めていないとは何事かという感情で、どうにかしないといけないなと考えたことを今でも覚えています。そんな私の感情が功を奏することになったのかは分かりませんが、その後相談者様は私に依頼することになり、早速相手方と交渉することになりました。
2 当初の状況
当初、相手方は本人であるとのお話でご依頼をお受けしましたので、相手方本人へ連絡したところ、弁護士に依頼するとの話で、相手方に就いた弁護士事務所より連絡がありました。
当初の弁護士の連絡では、事実関係についても争うといったものでご依頼者様と共々度肝を抜かれましたが、こちらが相応の証拠を持っている旨、争うのであれば訴訟も辞さない旨をお伝えして再度ご本人とお話して頂きたい旨お話したところ、金額に相応の変動があり、いきなり200万円程度の提示がありました(この金額自体不貞慰謝料の金額としては低くないです)。とはいえ、ご本人が作成していた契約書を基にする金額と著しく離れていた点、当初の交渉経緯からこれでは納得できないというご本人と私の考えが一致したこともあり、契約書をベースに細かく接触及び性交渉の回数で金額を算定しました。そうしたところ、500万円程度になったので実際にその金額を請求しました(契約書がない場合であれば破格です)。
3 解決に向けて
ご本人は相手方が許せないといった感情が強かったので、この500万円の請求でもある程度納得されていたようですが、私としては、ご依頼を受けた以上しっかり解決させなければいけないので、十分理論武装はしておりました。理論武装とは大袈裟に言いましたが、要は類似裁判例の確認と本件の契約書作成経緯の精査です。特に、事前に損害賠償額を定めた合意書についてその内容が有効になるかは作成経緯であったり、双方の事情、その金額等が考慮されます。本件については、その辺りを考慮して、十分類似裁判例を踏まえれば、戦えると考えたので上記請求を行いました。私の考えとして、いくら依頼者様のお考えとしても、あまりに無謀な請求は結局依頼者様の為にならないので踏みとどまるようお勧めすることが多いですが、本件ついては類似裁判例の分析の結果その必要はないと感じたので上記対応になりました。
その後、相手方代理人もこちらの主張について納得はしましたが、金銭的余裕がないことから、先に300万円を支払い残り150万円程度を比較的早期の分割で支払う提案がありました。こちらとしては、そこまでの金額になれば、資力の兼ね合いもあり裁判になったとしても必ずしも金銭を取れないと考え依頼者様とご相談し、受諾することにしました。
4 弁護士中村より本件を振り返って
本件について今振り返ると、何より良い形で合意書を作成して頂けたのが良かったと感じておりました。その上で、法的見解について、こちらの選択が前提であると思いますが、相手方の弁護士も似たような見解をもって下さったようで解決に進むことができたのが本件の解決の肝であったと思っております。結果として一定の減額はしていますが、裁判で請求の認容を取ったとしても執行の手間が煩雑であること、それほど早期の支払いを見込めないのでその点を考慮するとよい解決であったのではと考えております。
このように私の指針としては、私なりの見通しを踏まえて方針を示し、それに納得頂いてご依頼を決めて頂く形をとっております。どのような弁護士に依頼するか悩まれている方は一度弊所で方針を確認にいらして頂けますと幸いです。
この方については、「相手方が許せない」と強くお話されていたのが今でも印象的です。その内容を聞いてみると、過去に配偶者と不貞行為が見つかり、その時は今後接触しないことを誓約し、次にそのような行為を行った場合は、予め決めた金額の支払いを行うといった内容での合意書を作成されておりました。そのような内容であるにもかかわらず、私が確認した限り、10回程度の接触があり、加えて相応の性交渉も確認できるとのことでした。その上で、本人間の話ではしらを切っているとのようでその点からも言語同断だなといった印象を受けていました。
そのようなお話を聞いて、私ももちろん相談者様と同じ感情を持ちましたし、それこそ一度の約束を守らないばかりかあげくの果てにまだ認めていないとは何事かという感情で、どうにかしないといけないなと考えたことを今でも覚えています。そんな私の感情が功を奏することになったのかは分かりませんが、その後相談者様は私に依頼することになり、早速相手方と交渉することになりました。
2 当初の状況
当初、相手方は本人であるとのお話でご依頼をお受けしましたので、相手方本人へ連絡したところ、弁護士に依頼するとの話で、相手方に就いた弁護士事務所より連絡がありました。
当初の弁護士の連絡では、事実関係についても争うといったものでご依頼者様と共々度肝を抜かれましたが、こちらが相応の証拠を持っている旨、争うのであれば訴訟も辞さない旨をお伝えして再度ご本人とお話して頂きたい旨お話したところ、金額に相応の変動があり、いきなり200万円程度の提示がありました(この金額自体不貞慰謝料の金額としては低くないです)。とはいえ、ご本人が作成していた契約書を基にする金額と著しく離れていた点、当初の交渉経緯からこれでは納得できないというご本人と私の考えが一致したこともあり、契約書をベースに細かく接触及び性交渉の回数で金額を算定しました。そうしたところ、500万円程度になったので実際にその金額を請求しました(契約書がない場合であれば破格です)。
3 解決に向けて
ご本人は相手方が許せないといった感情が強かったので、この500万円の請求でもある程度納得されていたようですが、私としては、ご依頼を受けた以上しっかり解決させなければいけないので、十分理論武装はしておりました。理論武装とは大袈裟に言いましたが、要は類似裁判例の確認と本件の契約書作成経緯の精査です。特に、事前に損害賠償額を定めた合意書についてその内容が有効になるかは作成経緯であったり、双方の事情、その金額等が考慮されます。本件については、その辺りを考慮して、十分類似裁判例を踏まえれば、戦えると考えたので上記請求を行いました。私の考えとして、いくら依頼者様のお考えとしても、あまりに無謀な請求は結局依頼者様の為にならないので踏みとどまるようお勧めすることが多いですが、本件ついては類似裁判例の分析の結果その必要はないと感じたので上記対応になりました。
その後、相手方代理人もこちらの主張について納得はしましたが、金銭的余裕がないことから、先に300万円を支払い残り150万円程度を比較的早期の分割で支払う提案がありました。こちらとしては、そこまでの金額になれば、資力の兼ね合いもあり裁判になったとしても必ずしも金銭を取れないと考え依頼者様とご相談し、受諾することにしました。
4 弁護士中村より本件を振り返って
本件について今振り返ると、何より良い形で合意書を作成して頂けたのが良かったと感じておりました。その上で、法的見解について、こちらの選択が前提であると思いますが、相手方の弁護士も似たような見解をもって下さったようで解決に進むことができたのが本件の解決の肝であったと思っております。結果として一定の減額はしていますが、裁判で請求の認容を取ったとしても執行の手間が煩雑であること、それほど早期の支払いを見込めないのでその点を考慮するとよい解決であったのではと考えております。
このように私の指針としては、私なりの見通しを踏まえて方針を示し、それに納得頂いてご依頼を決めて頂く形をとっております。どのような弁護士に依頼するか悩まれている方は一度弊所で方針を確認にいらして頂けますと幸いです。