交通事故の事例紹介 | 浮田 美穂弁護士 弁護士法人兼六法律事務所 金沢事務所

取扱事例1

• 後遺障害等級の異議申立

「後遺障害非該当」との認定に対して,異議申立を行ったところ,後遺障害11級が認定されて,約1000万円の増額

依頼者：50代男性

交通事故の被害に遭われた方からの相談でした。相談者の方は車を運転していて,停止中に,後方から追突されるという事故に遭われました。
事故によって怪我をされて,病院に通っていたのですが,残念ながら,治療を続けても腰の痛みが取れませんでした。
　　
事故前は,相談者は力仕事をしていたのですが,事故後は重い物が持てなくなってしまったため,従来の仕事は退職せざるを得なくなり,新たな就職先で内勤の仕事をするようになりました。
　　
このような状態であったことから,後遺障害の申請をしていたのですが,「後遺障害はない」という判断がなされてしまいました。
以上のような経緯で,当事務所に相談に来られました。

後遺障害の申請をして,後遺障害が認められる場合も,後遺障害が認められない場合も,その理由が記載された書面が交付されます。
その書面には,相談者に圧迫骨折という傷害があるものの,それは,事故前から存在したものであり,事故によって圧迫骨折になったわけではないので,事故によって後遺障害を負ったとはいえないと記載されていました。　　
しかしながら,相談者は,事故前は普通に力仕事が出来ていたのであり,腰の調子は悪くなく,今回の事故後に腰の調子が悪くなったということでした。
そこで,このような理由が正当なものかどうかについて,いつも協力してくれる整形外科医に相談に行って,レントゲンやMRIを見てもらいました。
　　
そうしたところ,指摘されていた圧迫骨折は骨折の状況や形状等からすれば,事故前からあったものとは認められず,今回の事故によって発生したものであるとの意見をもらいました。
　　
そこで,当職は,医師からの上記意見を参考にして,後遺障害が認められないとした判断は不当であるという意見書を添えて,異議申立を行いました。
　　
この結果,異議申立は認められて,後遺障害11級との認定を得ることが出来ました。後遺障害がないとされていた時点では損害賠償金は全く受け取れないということになっていましたが,後遺障害11級が認められたことによって,後遺障害慰謝料や後遺障害逸失利益を併せて,約1000万円を受領することが出来ました。
この件では,訴訟提起にも至らず,異議申立が認められたため,受任から4か月程度で解決に至ることができました。