フリーの作家です。私をプロデュースしたいという人物が現れ, 内容を理解せずに契約してしまった。
私はある分野でフリーの作家として活動しています。
先日「作家としての企画, 営業活動の一切を一任する」とする契約を知人と交わしました。
今までに幾度か会っては私をプロデュースする旨の話をされていたため, これまでの話の延長であると考え, 内容をよく確認しないままその場で B5 程度の契約書 1 枚に押印しました。
後からこの契約はおかしいのではないかと指摘があり, 私も不安に感じたため, この度の相談に至りました。
契約書の内容は以下です。
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私、「ここに私の名前」( 以下乙と言う ) は、作家としての企画、営業活動の一切を
プロデューサーである「ここに相手の名前」( 以下甲と言う ) に下記事項により一任致します。
1. プロデュース期間について
期間 : ( 開始日 ~ 終了日。約一年間です。)
① 上記、期間中終了後も甲の営業活動やプロデュースの進行状況におい ( 原文ママ )
期間延長を甲は遂行できるものとする。
② 期間中に乙は, 他社や個人的契約及び取引は乙個人でしてはならないものとする。
又、依頼された場合、甲に一任するものとする。
2. 作品について
乙が保有し、保管、管理をするものとする。
① 割愛。私が勝手に他人のために作品を作り, あげる, 売るのを禁じています。
② 本状以前に、販売、提供、グッズ商品化したものに関しては、全
て書面作成し、甲に提出するものとする。
3. プロデュースについて
所属事務所の取り決め、催事企画、プロジェクトチームの開設、販売促進業
務、すべての企画営業を甲はするものとする。
4. 生活費、交通費、制作にかかる経費について
乙においての自己負担となります。
① 本状 2、②項目で収入得ることを甲は、乙の申請書をもって収入得る事
を認めるものとする。
又、アルバイトをすることは甲は、認めるものとする。
5. 甲は、一任受けた業務に対してのかかった経費など乙に請求しないものと
する。
以上、上記項目に於いて,契約書を取り交わし署名、捺印の上、本書各 1 通ずつ保有するものとする。
又、上記事項において問題が生じた場合、速やかに甲、乙にて解決するものとする
甲 : 記名 押印
乙 : 記名 押印
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以下が疑問点です。
この契約は弁護士から見て, 問題の無く成立し, 効力を持っているのか。
-「署名、捺印」ではなく記名に押印だが, この食い違いは有効性になんら影響しないのか。
- 私はこの契約によって, どれくらい法的に拘束されうるのか。
- 作品に関するすべての権利を悪用され, 奪われかねない状態にあるのか。
-「大変な状態になっている」のか, 「気にしなくて大丈夫」なのか。
罰則についての規定がないが, 私がこの契約に反した場合, 甲は私にその責任を問えるのか。
-「2 の ②」および「4 の ①」を謂れのない話と無視したら, どうにかされうるのか。
解除ができるのか。
- 約定解除権が設定されていないため, 解除は合意解除以外に無いのか。
- これが委任契約であり, いつでも解除してよいため, 何も書かれていないのか。
- その場合は「解除したい」と口頭で通知するだけで足りるのか。
-「上記事項において問題が生じた場合、速やかに甲、乙にて解決するものとする」
- これは「当事者による話し合い」以外の解決法を受け付けないということか。
特に拘束されているのかと懸念する点が「1. プロデュース期間について」に集中しています。
- ①より, 甲の一存で期間をいくらでも延長できる状態なのか。
- ②より, 馴染みのギャラリーから出展の誘いを受けることも, 甲へ一任すべき対象なのか。
- ②より, 乙に代わって甲が「契約及び取引」を好き勝手に行える状態なのか。
-「企画、営業活動の一切」の範囲が不明確なため, 一任を根拠とし際限なくやれてしまうか。
- 意向に反することをされ場合, なにか対処ができるのか。
- ②より, 生活のためにアルバイト以外 ( 正社員 ) になった場合, 契約違反なのか。
- 契約によって仕事を決める権利まで放棄してしまっているのか。
- そのような規定はなにかに反していないのか。
大変長くなってしまい申し訳ありません。
何卒ご教授のほどよろしくお願いいたします。
これは、直接、弁護士に持参して、意見交換すべき問題ですね。
あなたも感じたように多々あいまいな点があり、疑義が生じる
約定になっていますね。
とくに利益分配や解除について不明確なのは問題です。
弁護士にチェックをしてもらうといいでしょう。