加害者が謝って被害者が口頭で許した後でも、パワハラで訴えることは可能ですか?
私は1年前まである会社で働いていました。1年と数か月ほど前、上司にパワハラのような言動を受けました。
その後日、私は上司に「先日あなたがやった事はパワハラなので謝ってほしい」と連絡しました。
上司は密室に連れて行って「悪かった。これでいいかな?」と言いました。何が悪かったとかは言いませんでした。
その時は私は「はい」と言いました。
しかし、その後の上司の態度を見てやはり納得がいかないと思うようになりました。
会社を辞めてから、最近上記の件も含めて会社を訴えたいと思っている事がいくつかあります。
まずはあっせんを使おうと思っています。
訴える時に上記の件をパワハラで訴える事はできますか?
相手が謝って自分が口頭で許してしまったら、どんな事でももう訴える事はできないのでしょうか?
お辛い状況、お察しいたします。
具体的になされたハラスメントの内容にもよりますが、職場内での優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的又は身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為があったといえるのであれば、パワーハラスメントがあったと主張できる可能性も考えられます。
また、会社は、信義則上、労働者の安全に配慮する義務を負っておりますので(労働契約法5条)、上述のようなハラスメントが存在しながら、その状態の改善等に臨まなかったのであれば、安全配慮義務違反による責任を問える可能性はあるかと思われます。
さらに、上司の方が一度謝ったとのことですが、ご相談者様として納得のいく謝罪になっておらず、正式に紛争を終了させる合意等をしていない限りは、なおご請求自体はできるものと思われます。
なお、あっせんの手続きにつきましては、裁判所の手続きと異なり、強制力がないことから、紛争の解決に至らない場合もありますので、あっせんが功を奏さない場合には、弁護士にも一度ご相談のうえ、対応をご検討されると良いかと思慮いたします。
迅速かつ丁寧なご回答ありがとうございます。
非常に勉強になりました。