名誉毀損や侮辱罪の公然性について

名誉毀損や侮辱罪の「公然」は、

・メール
・ホームページの問い合わせフォーム

は当てはまりますか?

警察は被害届を受理してくれますか?

公然とは、不特定または多数人が知り得る状況を言います。
ご相談内容のどちらの例も、通常は特定かつ少数の人が知り得る状況に過ぎませんので、一般的には公然性の要件を満たさないでしょう。

通常はいずれもならないです。
ただ、内容によっては、脅迫や迷惑行為防止条例違反などで立件される可能性はあります。

前田雅英ほか編『条解刑法〔第4版〕』(弘文堂,2020年12月)696頁
名誉毀損についての説明で、以下のとおり記載があります。
【公然 不特定又は多数人が認識できる状態をいう(最判昭36・10・13集159-1586)】
【摘示の相手方は特定少数人であっても,伝播して間接的に不特定多数人が認識できるようになる場合も含まれる(最判昭34.5.7集135641)。伝播可能性を理由に公然性を認めることについては,直接の相手方の意思により犯罪の成否が左右されることの不当性や表現の自由に対する不当な抑制になるとして反対する見解があるが, その場合の故意の要素としては伝播の可能性について認識することが必要であろうし,行為態様(当該情報の性質, 内容,形式, 相手方の立場等)からも伝播可能性が具体的に認められる場合に限定すれば,犯罪の成立範囲が不当に拡大することはないであろう(高等学校教諭の名誉を毀損する内容を記載した文書を教育委員会委員長校長PTA会長宛てに各1通郵送した事案につき, 相手方に守秘義務があることなどを理由として伝播可能性がないとしたものとして,東京高判昭58.4.27高集36-1-27)。】

侮辱罪も同じです。同書708頁。
【3) 公然 侮辱行為は公然と行われなければならない(230条注2参照)。】