【優先交渉権とはどういうものですか?】
わたしは趣味で詩を書いていて、自分のブログに掲載しています。そのブログを目に留めてくださった某出版会社から、書籍化しませんかと連絡が来ました。話を聞いてみると、この出版会社さん以外にも関係企業があるようで、そちらでも会議に通らないと書籍化はできないとのことでした。ついては「優先交渉権の合意」をしてほしいとのことで、それに関する書類をいただきました。しかし、素人には内容がよく分からず、根掘り葉掘り質問するのも気が引けてしまい、こちらで相談させていただきました。不明点は下記のとおりです。
・優先交渉権の合意期間中(6か月とありました)は、たとえば全く違う会社から書籍化の打診が来た場合は、それを断らなければいけないのでしょうか。優先であって独占ではないと思うので、どこまで何が許されるのか分かりません。
・優先交渉期間にめでたく会議に通ったら、それから「契約(書籍化についての具体的な)」するそうです。この契約内容はまだ知らされておりませんが、もし契約内容に不満がある場合は、契約を断ってもいいのでしょうか。
・上記内容や今後の展開含め専門家に相談するとしたら、どの職種の方が適切でしょうか。
契約書の問題については、「根掘り葉掘り」質問された方が、のちのトラブルの防止につながるので良いと思います。弁護士に相談するとしても、実際の文言が明らかでなければ、明確な回答はできません。
参考までに、日本書籍出版協会の出版契約書ひな形2に「本著作物の電子出版としての利用については、優先的に許諾を与え、その具体的条件は甲乙別途協議のうえ定める」という文言があるので、それを前提に解説いたします。
このような契約書の文言の場合、他社から打診があれば、合意した出版社に対して、打診があったことを通知し、出版を行うかどうか優先的に判断させる義務はあると思いますが、必ずしも他社の打診を断る必要はないと思います。
また、「具体的条件は甲乙別途協議のうえ定める」という文言であれば、具体的条件が合意できない場合に、契約を断ることも可能です。
冒頭にも申し上げましたが、実際が分からなければ回答は出来かねますので、契約書の案文を出版社から示してもらってからご相談ください。著作権(特に出版関係)に詳しい弁護士に相談すればよいと思います。
専門家に相談をしなくとも、出版社に丁寧に問合せをすることで疑問を解消することはできます。遠慮は全く不要です。