取締役の解任の訴えが認めらた場合、次の代表取締役の選任はどのように行えばよいのでしょうか?

取締役の解任の訴えの提起について教えてください。

不法行為を行なったり法令・定款に違反する重大な事実があれば、取締役解任の訴え(会社法854条)を起こす事ができると文献で見ました。

例えば、取締役(代表取締役)が同社の株式を50%持っていた場合、判決で取締役を解任されたとしても株主としての権限は失わないので、次の株主総会で再任される、ということは可能だと思います。

しかし、持っている株式は50%で過半数に満たないので他の50%の株主に反対されれば、決議権が割れる事になります。

同社の定款には株主総会の議長は代表取締役と定められています。
この代表取締役は解任されているので、代表取締役も議長も不在という事にならないでしょうか?

このような状況の場合、どのようにして次の代表取締役すれば良いのでしょうか?

よろしくお願いします。

株主総会では、議長が不在であれば、まず議長を選任するところから始めます。
もっとも、株主が50%と50%であれば、いずれも過半数の決議をすることができないので、何も決められない事態に陥ってしまいます(このように、50対50の割合で株式を保有することは、一見すると、意気投合して会社を始めた2人が、お互いが納得しなければ決議できないようになって安心のように思えますが、考え方に違いが生じ始めたときに、何も決議できなくなるという点で、とてもリスキーな保有の仕方です。)。何も決められない状態(デッドロック状態)が長期間続いて会社として存続する意味がなくなると、会社の解散請求を裁判所に申し立てるほかなくなります。

近藤先生、ご回答ありがとうございます。

デッドロック状態が続いた場合、次の新取締役を選任できないと、旧取締役の役員としての地位が新取締役選任まで存続するのでしょうか?

それとも、取締役解任の訴えで解任された場合、完全に代表取締役は会社に不在という状態になるのでしょうか?

よろしくお願い致します。

取締役解任の訴えを提起する場合には、仮の措置として、(その取締役の)職務執行停止の仮処分と、(代わりの人に職務を行ってもらうための)職務代行者選任の仮処分を申し立てることが多く、取締役解任が認められるようなケースであれば、仮処分申立ても認容されていることでしょう。
職務代行者としては、通常は、利害関係のない弁護士が選任されます。職務代行者の権限は、基本的に、会社の常務に限定されます。

職務代行者の権限は会社の常務に限定されるとなると、デッドロック状態は避けられず、最初にご回答頂いた、会社の解散請求を裁判所に申し立てるほかなくなるという事なんですね。

ご回答ありがとうございます。感謝いたします。