理事長による特定の業者に対する情報提供の可否について
私は社会福祉法人で契約事務に従事する事務員です。現在、法人内に導入を予定しているセキュリティシステムについて、日頃取引のある4社に対し仕様書を配布、見積書を徴収し、全社から見積書が出揃った結果について施設長決裁が済んだ為、法人理事長に対して結果を報告したところです。
すると、理事長から、とある一社(理事長の親類が勤めている業者)を名指しして「この業者には(IT関係で)世話になっているだろう。値引きの相談をしてみろ」「値引きの相談をしてダメなら仕方ない」といった主旨の返答がありました。この返答は、私だけでなく施設長にもあったようで、さらに、その施設長に対し、理事長へ報告して数時間後、業者から直接「理事長からお話がありましたのでそちらに出向いて話をしたい」と言ってきました(たしかに、その業者の提案する内容は最上級の内容でしたが、一方で、法人職員の手に余る、とても使いこなせない仕様であると共に最高額(仕様書に示す価格上限以下)でもある為、落選と判断された)。
このように、仕様書を配布して行った見積合わせ(入札ではない)でありながら法人理事長が特定の業者(しかも自分の身内が勤めている業者)に対して情報を伝え、見積提出後に直接交渉の機会も与え(今回は事前に各社から提案説明をうけていたので、正式な見積り合わせの段階でプロポーザルのような提案の場を設けていない)、法人内の決裁を覆そうとする行為は問題無いのでしょうか?理事長であれば、特定の業者に対し便宜をはかることが認められているのでしょうか?職員側から見れば、公平公正を欠く行為に思えるのです。
社会福祉法人の詳細は知りませんが、理事の行為は、一般的には、特別
背任罪になりうるし、あるいは法人に対する損害賠償責任がありますから、
不当であることが明らかなら、監督庁に相談するのも方法でしょう。