財団分与判決でお金の代わりに不動産を分与した場合
財産分与の判決が出ておりまして、その金額5000万に対して代わりに私の家を元配偶者に渡した場合、判決金額5000万はその分減額されますか? 減額される場合その金額は対象財産1億円を算出するときに使用された金額でしょうか?
5000万円からは減額されます。しかし、いくら減額されるのか家が問題です。
「対象財産1億円を算出するときに使用された金額」というのが申し訳ございませんが、良く分かりません。
話し合いになると思うのですが、合意ができない場合は、最終的には、家の客観的価値を控除することに
なると思います。
対象財産1億円の意味は判決の5000万円を算出するときの分与の対象となる総財産(5000万円x2)の意味です。その中に不動産(家)の金額も含まれております。 相手は家を望まなかったので現金5000万となりました。
既に判決が出ていて確定していると言うことでしょうか。
その判決では金銭で5000万円支払えという内容なのでしょうか。
そうだとすると、金銭で5000万円支払う義務がありますので、家を渡すことはその義務の履行にはなりません。
例外的に、裁判中とは異なり、現金の代わりに家を渡すことで支払に代えるという合意が元奥さんとの間でできれば(代物弁済の合意)、その家の価値分支払ったことになります。
減額の額は、厳密に言えば、代物弁済の合意の内容によりますが、過去の評価ではなく、渡す時点の価値でしょう。
判決が出ていて5000万円支払えということです。 代物弁済の合意はどのようなステップになりますでしょうか? 裁判所に合意書を提出する必要もありますね?
もう裁判所は基本的には関係ありません。
相手(元奥さん)と話し合って、そのような合意ができるかどうかをさぐることになります。
そのような合意ができなければ、現金の代わりに家を渡して終わりにすることはできません。
仮にその時合意ができたとして、その後相手の気が変わって、財産差し押さえの権利というのはまだ有効なのではないでしょうか? 何かしら法的なしばりが必要だと思うのですが。
私の回答は不正確だったと思うので、補足いたします。
私は「その金額5000万に対して代わりに私の家を元配偶者に渡した場合」というのは、
配偶者との間で、代物弁済の合意はできているが、具体的な金額について話し合いを
行わなかったものと考えていました。
もし、代物弁済の合意すらできたいない場合は、その話し合いから始めないといけません。
(すでにほかの先生が指摘されているとおりです。)
その合意ができない場合は、金銭を支払うことでしか債務を履行できませんので、
建物から費用を充てたいというのであれば、ご自身で建物を売却して、その代金から
支払を行うということになります。
建物を譲渡する代わりに、5000万円の債務を消滅させる内容の合意が出来ている場合、
その合意で代物弁済契約が成立するので、気が変わったからといってそれをほごにする
ことはできません。
(代物弁済)
第四百八十二条 弁済をすることができる者(以下「弁済者」という。)が、債権者との間で、債務者の負担した給付に代えて他の給付をすることにより債務を消滅させる旨の契約をした場合において、その弁済者が当該他の給付をしたときは、その給付は、弁済と同一の効力を有する。
>仮にその時合意ができたとして、その後相手の気が変わって、財産差し押さえの権利というのはまだ有効なのではないでしょうか? 何かしら法的なしばりが必要だと思うのですが。
おっしゃるとおりです。
既に判決が出ている以上、それに従って義務を履行しなければならないというのが大原則です。判決が確定しているなら変更できません。
ですから、ご相談者の希望で裁判所に何か申立をしても、それは裁判所は相手にしません。
仮に、権利者である相手方と合意ができれば、それと異なる方法も可能だというご回答です。
権利者である相手方が、強制執行するなどの意思があるのであれば、そもそも代物弁済の合意などできないでしょうし、そのような相手であれば上記のような方法を強引に進めるのはリスクがあるでしょう。
第482条で代物弁済の合意を遵守しなければならないとありますが、仮に相手の気がかわり差し押さえを実行した場合、その後法廷で争うことは可能でしょうか? それとも、争うことは不可能なので、それはリスクということでしょうか?
代物弁済の合意がきちんとできて家の名義も移転できたのであれば、それによって、法的には支払義務は消滅します。
実際、それでよいと思ったから相手は合意に応じたのでしょうから、通常それで問題ありません。
上記の質問では、その後気が変わって、判決に基づいて強制執行するという「可能性」がある相手だとご相談者が認識しているようですので、その点がリスクだと申し上げたのです。
現実問題としては、判決に基づいて強制執行の申立は可能です。
しかし、法的には、既に債務は(代物弁済により)消滅しているので、その強制執行は違法ですから、その点を裁判所に申立をすれば争うことができますし、執行はとまるでしょう。
ただ、その裁判対応をしなければなりません。
もし、そのようなことをしてくる相手だと考えているなら、その点がリスクだということです。