契約者と入居者が違う場合の契約解除についてお尋ねします。
父が契約者となって、仕事のために自宅とは別に賃貸アパートの一室を借りていました。
当時一緒に仕事をしていた人が契約時より現在までそこに住んでいるので家賃はその人が支払っています。父も自宅とその部屋を行き来している状態でした。
1年前に父は亡くなり仕事も畳みましたので仲介業者に契約解除を申し出たところ、入居している人は退出を拒否しているということでした。当方はその方の名前だけは知っていましたが面識はありません。その方は父との仕事はかなり以前に止めていて、今は別に仕事をしていますが、収入は不安定でよく滞納しているようです。ですが3か月以上は滞納せず、その都度まとめて支払っているようです。父は仕事は別になってもよく遊びに行っていました。
現在の入居者がそこに住み続けたいなら、父の契約を解除し、その方が新しく契約者となれば良いと思うのですが、契約解除できないままで1年経過しました。
仲介業者はたびたび入居者と交渉をしているようなのですが、解消に至らないのは以下の理由によるそうです。
●仲介業社の規定で、新しく契約者となる人(現在の入居者)の信用審査が必要だが、その方は高齢かつ滞納履歴があるので審査は通らない。本人もそれをわかっているから引っ越しも出来ず居座っている。
●遠方居住の息子を保証人にすれば契約は成立するが、本人は息子に知られたくないらしく、絶対に連絡しないし、息子の連絡先も言わない。のらりくらりと話が進まない。
●仲介業者は大家に契約者が亡くなっている事を話し、退去の手続きを依頼したが、大家は、滞納してもすぐに解消しているのでそこまではしたくない。裁判などの費用は負担したくない。
以上の内容はすべて仲介業者から聞いたものです。
当方は入居者、大家とも接触はありません。
仲介業者と入居者と大家との問題は当方には関わりのないことで、契約者が契約解除を希望しているのにできないということがあるのでしょうか。
仲介業者の規定のために契約者変更ができないのであれば、住み続けたい入居者と住んでもいいと言っている大家と直接契約していただけば良いのではないでしょうか。
もし入居者が何かあって費用が発生した場合、契約者が父のままでは、こちらに請求が回ってくることを心配しています。
1年も話が進まないのは、入居者が何かあった時の保険として父の契約を残しているのかと勘ぐってしまいます。
このまま膠着状態が続くのは仕方のないことなのでしょうか。
契約を解消する方法がないか教えていただければ幸いです。
よろしくお願いします。
回答ありがとうございます。大家も引き続き居住してもよいと言っているし、仲介業者も契約の変更をしてもよいと言っているし、当方も退去してほしいわけではなく契約者を変更したいだけなのに、保証人にサインがもらえないだけで話が先に進みません。なにか良い方法はないのでしょうか?
「仲介業者と入居者と大家との問題は当方には関わりのないことで、契約者が契約解除を希望しているのにできないということがあるのでしょうか。」
→そうは言い切れないです。お父様が,当時一緒に仕事をしていたA氏に対して,お父様名義で借りている賃貸アパートに住むことを認めたのでしょうから,賃貸人に対しては無断転貸と評価されることもあり得ます。賃貸人からしてみれば,あくまで賃借人はお父様ですから,お父様が認めたA氏が住み続けていれば,お父様に賃料等の支払責任があることになります。お父様が賃貸借契約を解約することは可能ですが,その場合,建物の明渡義務があり,A氏が住み続けている状態では明渡義務が履行できず,明渡しが実現するまで,通常の契約書の規定では,賃料の倍額の損害金を支払う義務が生じます。
そして,お父様は亡くなられたとのことですので,お父様の相続人が,お父様の立場をそのまま引き継いだことになります。
賃貸人には,A氏と直接契約する義務はありませんし,A氏に対して裁判を起こす義務もありませんので,法的に解決するためには,お父様の相続人が,A氏に対して,建物明渡しの裁判を起こすといった方策が必要になってきます。