賃貸住宅特約事項の有効性

賃貸住宅退去時の費用が特約事項に記載がある。コロナ狩りにあったのか、住居や車に投石をされ恐怖を感じたため短期(2ヶ月)で退去となった。退去にかかる費用についてこのような理由のため減額の話しをしていたが、金額の同意がないまま、保証会社から立替えを行ったので振り込んでくれと連絡あり。
保証会社に確認したところ、清算額の同意があったかまで、確認していないとのこと。管理会社から請求があったので立替えたそうです。

そこで、管理会社に連絡して話しを聞くと、 クリーニング代、短期解約違約金(2ヶ月分の家賃)、畳張替え費用に、保証会社の手数料がプラスされているとのこと(浄化槽清掃費と除草費は免除してくれた)。

この時点で、まず費用が未確定なのに保証会社に請求したことと、特約事項に畳の張替えは記載されているが、契約時に畳は新しくないので張替えなくてよいとはなしあったこと(契約会社の二人はこの話の記憶があると返答)。
の2点について抗議し、保証会社の手数料は払わないことと畳については契約事務を行った不動産会社と話しをすると答えた(この時点では違約金等は払う意思があると言っています)
不動産会社は、上記のように契約時に張替え不要の話しをしたことは、認めているが、入居前に新しくしているので張替えが必要と言ったが、問題は新品がどうかではなく、張替え不要と話しあったことが重要と。
また、契約時に張替えていないが入居日までの間に、張替えが行われないか管理会社に確認をしてくださいと言ったが契約日から入居日まで日数がないのでだいじょうぶと。また、文面の削除をと言ったが、入居前に張替えていないので退去時に張替えの必要はないのでそのままでだいじょうぶともいった。
不動産会社は、考えさせてくれとのことだったが、連絡無し

連絡を待っている間に調べてみる特約事項について、
三つの条件を満たしていないと無効との情報をみつけた。
その一つに”特約事項記載ページに、署名と捺印がないと無効”とありました。

契約書を見ると特約事項は別記として契約書の最初のほうに記載されている。ここには私の署名と捺印はない

また、契約条文の最終条文に”・・・特約事項は別記記載のとおり”と特約事項の記載部分を指している。

最終条文の次に
原状回復の国土交通省のガイドラインの記載があり、表のあとに、”ガイドラインを一般原則とし、例外として下記の費用は借主の負担とすることに同意します”
とあり、貸主(管理会社と同じ)の法人名の印刷と捺印、借主の署名、捺印
があります。ただし、”下記”とあるが何も記載がありません。

このような状況で、当初は、畳の張替えと保証会社の手数料がなくなればと思っていましたが、退去時からの対応があまりににも不誠実なため、特約事項のページに署名捺印がないので、違約金、クリーニング代、等すべての退去時の費用を払わずに、先払いしている家賃の日割分払い戻しを請求しようと思っています。

そこで、おたずねしたいのが、上記のような契約内容(契約書)で特約事項が無効をとなるのか。
家賃の払い戻しを請求するのに時効等があるのか。

また、退去時費用の同意がないまま保証会社に立替えを依頼することは、法律上問題ないか。(管理会社は、退去後90日過ぎると請求できないなどと言っていましたが)

大変長文になってしまいましたが、よろしくお願いいたします。

”特約事項記載ページに、署名と捺印がないと無効”

→そうは言えません。特約事項が記載された契約書に署名捺印があれば,特約条項も含めて合意が成立したと解釈されるのが通常です。特約事項が無効とはいえないでしょう。

退去時費用の同意がないまま保証会社に立替えを依頼することは、法律上問題ないか。

→法的に支払義務がないものまで保証会社が「立て替えた」と主張しても,ご相談者様としては,例えば保証会社との間の裁判で,支払義務がなかったことを裁判所に認めてもらえば,保証会社からの請求に応じる必要はありません。従いまして,賃貸人側が,賃借人側と退去時費用の同意がないまま,保証会社に請求したこと自体は,法的には問題ないものと思われます。ご相談者様としては,保証会社との間で争えば良いということになります。

畳については,契約時に,退去時に張り替え不要と仲介業者と話しているのであれば,そのことを今からでも証拠化(仲介業者担当者とのメールや,電話の録音等)しておくべきと思われます。