家族関係でも「器物損壊」で「告訴」できますか?
2019年母が車いすでの生活になり施設に入居しています。2020年7月に父が亡くなり実家が空き家になり、姉と義兄が、無断で母の金庫を開けようとして開かず、壊して部品を捨てました。中身は何もありませんでした。無断で母の金庫が壊されたこをを知った母は情緒不安定になりました。この場合「刑法261条」の「器物損壊」にあたり、「親族相当例」には該当せず、姉と義兄を「告訴」できますでしょうか?
よろしくお願い致します。
結論から述べますと、法律上は可能、しかし現実的に受理されることは難しいと考えます。
ご指摘の通り、器物損壊罪は親族相盗例の対象外のため、親族だからといって刑の免除はなされません。
ただし同罪は親告罪とされ告訴が必要なところ、告訴権者は金庫の所有者であるお母様ですから、施設に入っているお母様本人が告訴をしないといけません。
また同罪は法定刑が軽い罪であり、金庫そのものの価値(被害額)も低いと思われます。そうすると、警察がマンパワーを割く優先順位としては低くなります。さらに親族内の問題であるため警察が及び腰となり、「よく話し合ってみてください」「弁護士に任せる問題です」などと体よく追い返される可能性が高いでしょう。
果たして「告訴」という手段が問題を解決する最適の方法であるのか、再度ご検討ください。
村上 匠先生。とても分かり易いご説明をありがとうございました。お礼を申し上げます。