認知症の祖母に代わって株式を売買したい

祖母が保有する株式の売買について相談のです。
祖母は老人施設に入居し、明確な意思疎通ができない状態です。
祖母の保有する株式が損失になっており、祖母に代わって株式を売買したいのですが、証券会社からできないと言われました。
後見人制度を利用することも考えましたが、後見人制度ではあくまで資産の保有が原則ということで、売買は難しいとネットに書いてありました。
後見人制度以外の手段で代理に売買する方法はありますでしょうか。
よろしくお願いします。

「明確な意思疎通ができない状態」というのは具体的にどういった状態でしょうか?
例えば,認知症に罹患していても取引が有効にできるケースはありますので念の為確認させていただけますでしょうか。

自身が株式を保有しているかどうかわからない状態です。

ご回答ありがとうございます。
意思疎通ができないといっても,耳が遠い等によりコミュニケーションが円滑にできないだけという場合もあるため確認させていただきました。

1.判断能力について
「改訂長谷川式簡易知能評価スケール」というものをご存知でしょうか。実務で判断能力の有無を判定する際に参考にされている簡単なテストです。
可能であれば,こちらでどの程度の判断能力があるかを確認してみるのがよいかもしれません。
20点近く取れれば,有効に取引できる場合もあると思います。
ただ,ご説明いただいたところを見ると,少し難しいかもしれません。
なお,有効な取引を見込める場合でも,ご相談者様が後々で責任追及をされないよう祖母の相続人になる方や弁護士等に相談しながら進めることをおすすめします。

2.成年後見人制度について
「後見人制度ではあくまで資産の保有が原則ということで、売買は難しい」とのことですが,確かに株式の新規購入等の場合はそのような結論になると思います。
しかし,従前から所有していた証券を例えば生活費に当てるために売却することは必ずしも禁止されるものではないと考えます。裁判所関係者が書いた書籍である「家庭裁判所における成年後見・財産管理の実務〔第2版〕」52頁でも,「被後見人が後見開始前から既に所有していた株式,投資信託等の金融商品を売却するか否かは,後見人の判断に委ねられる。」とされています(ただ,当然ですが,自由裁量で売却できるわけではありません。後見人の責任問題にならないよう売却の正当性・相当性を整理しておくべきです。)。
親族が後見人になれば,後見人報酬が抑えられる場合もありますし,ある程度の資産をお持ちの方であれば,後見制度の利用を検討してもよいと思います。
その際は,管轄の家庭裁判所や弁護士に相談しながら進めることがベターです。

回答ありがとうございます。
相続人は私の親一人だけなので、後見人制度を利用するまでもないと考えています。
ちなみに後見人制度を利用した場合、株価の急落による損失拡大を防ぐための売却は実務上許容されていますか。

実務と呼べるところまで確立した取扱いを把握しておらず申し訳ございませんが,後見人は家庭裁判所の監督を受けながら職務を行いますので,一度,御祖母様の住所地の家庭裁判所に電話で聞いてみるとよいかもしれません。私見ですが,株価が乱高下している昨今,どこが底かという判断は難しいところがあると思いつつも,そのような売却は認められるべきと考えます。

わかりました。
大変勉強になります。
ありがとうございました。