退職時の誓約書の効力について

Question

3年以上働いた整骨院グループを退職した際に誓約書の記入をさせられました。

内容は自分自身に不利な内容ばかりで記入はしたく無かったのですが「退職するスタッフは全員書いてもらってるから」と言われ、判子も持ってなく何とかその場で書くのは断ろうと後日でいいか尋ねたら「時間が無いから早く書け、判子が無ければ拇印でもいい」と言われたので仕方無く記入、捺印しました。


誓約書の内容に
・貴社在職中に知り得た貴社の秘密・ノウハウ(貴社の業務上のツール、マニュアル、患者情報、貴社に権利の有する書物類のデータ一切を含む)及び個人情報(顧客情報のみならず貴社の役員及び従業員に関する個人情報も含む)は、退職後であっても、他に漏らし又は使用することは一切致しません。

・退職後に株式会社◯◯(←働いてた会社名です)のスタッフの引き抜き、また先に株式会社◯◯を退職し開業したスタッフの職場に勤務することは、一切致しません。

・万一、同誓約書の規定に違反して、貴社の秘密・ノウハウ及び個人情報を漏洩し又は使用した場合には、貴社の損害の有無・程度に関わらず、金300万円を一括してお支払いすることを誓約致します。


といったものがあります。

ただ自分は将来開業してこの会社で習得した施術を行っていきたいと思っています。
そしてこの会社をいずれ退職していっしょに働きたいと言ってくれている後輩もいます。

ここで質問なのですが
①この会社で学んだ施術方法の使用や元の同僚と働く場合この誓約書通りに300万円を支払わなければならないのでしょうか？
②誓約書を無効、破棄する場合に方法はあるのでしょうか？(控えやコピーはもらえなかったので写真データだけは残してあります)

長くなってしまい申し訳ありません。
ご返答よろしくお願い致します。

清水 祐太郎 弁護士 · Accepted Answer

①整骨院で行う一般的な施術を学び、それを将来行う分には何も問題ありません。
　また、「ノウハウ」というのももっぱら経営上のものでしょうから、施術上の技術については含まれていないと考えられるでしょう。
　
　たしかに、あなたが引き抜かなくても、後輩が一緒に働きにきたら誓約書には反することになります。後輩には事前に退職時の誓約書には署名しないように伝えておいた方がいいと思います。

②時間が無いと言われてサインだけさせられてしまったというような主張であれば、通る可能性はあります。
　また、今後一切同僚と同じ職場で働かないという規制はやりすぎな感はありますので、部分的に無効とすることもできないわけではないと思われます。