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くまもと たけひと
熊本 健人弁護士
磯野・熊本法律事務所
淀屋橋駅
大阪府大阪市中央区淡路町3丁目2-10ステラ淀屋橋ビル11階
対応体制
  • 夜間面談可
  • 電話相談可
  • WEB面談可

インタビュー | 熊本 健人弁護士 磯野・熊本法律事務所

資金調達、新規事業、売上アップへ。中小企業の「戦略法務」に詳しい大阪の顧問弁護士

大手の法律事務所などで経験を積み、独立した磯野・熊本法律事務所の熊本 健人(くまもと たけひと)弁護士。
現在、活動の軸に据えているのが中小企業をはじめとする企業法務です。
特徴的なのは、紛争の処理やトラブルの予防に加え、経営視点の「戦略法務」に力を注いでいる点です。
新型コロナ、原材料高騰、人手不足。
激動の時代に法律家として何ができるのか、模索する日々に迫ります。

01 弁護士としてのキャリア

大手事務所の事業承継チームに在籍。国際法務も経験して独立

ーー現事務所は今年(2023年)3月に開業されたようですね。

ロースクールの同期と一緒に立ち上げました。
とくに中小やベンチャー、スタートアップの企業法務に力を入れている事務所です。

契約書の作成や契約絡みのトラブル、労働問題、債権回収、誹謗中傷をはじめとするインターネット問題、それに会社設立やM&A、事業譲渡、知的財産などを全般的に扱っています。

もちろん、個人の方々からのご相談も大歓迎です。
家事事件、一般民事、刑事事件と分野を問わず、幅広くお受けしています。


ーー企業、個人案件とも現在までに経験を積んできたと。

個人案件については、最初に入った大手事務所で一通りの経験を積みました。
とくに地方の支店に勤務していた頃はいろんな事件に携わりましたね。

企業法務を手がけるようになったのは、東京の本店に異動した後のことです。
事業承継のチームに配属されたのを機にさらに極めたくなり、今度は企業法務にほぼ特化した事務所に移籍したんです。
移籍先では、国際法務を含めて特殊な事案も経験することができました。

02 注力分野と強み

紛争処理や予防法務だけでなく、売上を増やす「戦略法務」も

ーー顧問弁護士と契約していない中小企業は多いと聞きます。どんなメリットがあると考えればいいでしょうか?

企業法務には、大きく分けて「3つの役割」があると思っています。

ひとつは、紛争の処理です。
取引先や従業員とのトラブルが生じたときに、裁判や労働審判で争うようなケースですね。
おそらくこれが、弁護士の典型的な仕事のイメージだと思います。


ーー具体例として、過去に担当した事件を教えていただけますか?

元従業員の解雇無効の訴えに対し、裁判で勝訴的和解を勝ち取ったことがありました。

解雇の適切な手続きを取った証拠が残っておらず不利な状況でしたが、賃金の約1ヶ月分の解決金を支払うことで和解を成立させられたんです。
仮に判決で敗訴していたら、2年分以上の未払い賃金の支払いを命じられていたはずです。

担当者と元従業員が当時交わしていたメッセージや関係者の陳述書を提出し、解雇に合理的な理由があると丁寧に主張した結果でした。

話を戻しますが、こうした紛争処理に加えて今、少しずつ浸透してきている2つ目の役割が予防法務です。
文字通り、トラブルの芽を事前に摘むことですね。
あとで不利益を被らないように、契約書を作成しておくことなどがあります。

ここまでは、おそらく多くの経営者が認識されているはずです。


ーーさらに、それらに続く3つ目の役割があると。

それが、「戦略法務」です。
経営視点で企業戦略を支え、売上アップにつながるような法務のことです。

たとえば、会社の規模を拡大するには資金調達が必要ですよね。
また、新しい事業を立ち上げるにも、行政の許認可などが壁になります。

どうすれば法規制をクリアし、新しいビジネスを立ち上げられるか、あるいは会社を成長させられるか。
そうした経営の観点からアドバイスさせていただくこともできるんです。


ーー弁護士は「守り」のイメージが強いですが、決してそうではないんですね。

「何か問題が起こったら、そのときにスポットで頼めばいい」。
経営者の多くが、弁護士の使い道をそう考えていらっしゃるのではないでしょうか。

ただ、私たちは決してディフェンスの役割だけを担っているわけではありません。
使い方次第で、売上を増やすようなことにも一役買うことができるんです。

一言でいえば、「究極の法務部」ですね。
社内に法務部がなければ丸投げしていただけますし、法務部がある場合もそれを監督し、機能を高められます。

顧問契約料は、法的トラブルの処理や予防だけでなく、より良い会社をつくるために必要な経費であるーー。
ぜひそのことを、多くの経営者に知っていただきたいですね。

03 依頼者への思い

愛を持って接し、創造性で望みを叶える。AIにはできない人間力

ーーその経営者とは普段、どんな風に意見交換しているんですか?

私が日々のコミュニケーションで最も心がけているのは、スピードです。

経営判断には即時性が求められます。
状況は刻々と変わっていくので、経営者の方々が今知りたいことをすぐに回答しないと、判断を誤る危険があるんです。
そのためにチャットツールを使ったり、オンラインの打ち合わせを重ねたりして頻繁にコミュニケーションをとるようにしていますね。

私の好きな言葉で表すなら、「和顔愛語(わげんあいご)、先意承問(せんいじょうもん)」です。

和やかな顔と、思いやりの言葉で人に接すること。
そうすることで、先に相手の気持ちを察し、手を差し伸べて望みを叶えること。
そういった意味合いの仏教用語です。


ーー依頼者への思いが伝わるいい言葉ですね。

依頼者さまに「話しにくい」などと感じさせてしまうのは、弁護士としてあってはならないことです。

じっくりお話を聞くこと、愛を持って親身に寄り添うこと、そしてそのうえで、依頼者さまが望む解決策をいち早くご提示すること。
それが私たち弁護士の役目です。

企業法務でいえば、単に法的に難しいからと杓子定規にストップをかけるのではなく、どうすれば回避でき、どういう手段ならクリアできるのか。
そこまで考え抜いて、実現可能な解決策をご提案するべきです。

巷では今、対話型AI(人工知能)の「チャットGPT」が賑わっていますが、そうした創造性や打開力こそ人間にしかできないAIとの決定的な差であり、弁護士に求められる究極の仕事ではないでしょうか。

04 弁護士としての信念

変化を楽しみ、チャレンジする。激動の時代に中小企業を支える覚悟

ーーそもそも、個人・企業案件をどちらも経験されたなかで、なぜ企業法務を追求しようと思われたんですか?

未知の領域にチャレンジできること、時代や社会のダイナミズムを感じられること。
そこがひとつ、大きな理由としてあります。

今、時代はかつてないほどすさまじい勢いで変わってきていますよね。
ここ数十年だけで考えても、IT革命が起き、スマホが普及し、そしてAIが出てきてと、変化のスピードは増すばかりです。

そんななかで、まだ法整備が追いついていないような問題が次々と生まれています。
そこに果敢にトライできることが、私にとっては企業法務に携わる魅力とモチベーションになっているんです。


ーー好奇心やチャレンジ精神が旺盛なんですね。

ただ一方で、企業のみなさんにとっては大変ですよね。
時代に追いつき追い越せと、新しい事業やサービスを打ち出さないといけないわけですから。
だからこそ、法律家という立場で私がその力添えをさせていただきたいんです。

日本経済は、中小企業なくして成り立ちません。
多くの企業が生き延び、成長できるように、ぜひ全力でサポートさせていただきたいですね。