犯罪の検挙率に影響する要因とは?繁華街と人通りの少ない場所の違い

重要犯罪において、駅などの繁華街で発生した事件と、人があまりいなそうな路上で発生した事件では、やはり前者の方が検挙しやすいでしょうか?

防犯カメラがそもそもなかったり、暗闇などで上手く足取りが追えなくなったなどの問題が出てくるのか気になりました。

元警察官の弁護士です。

まさに御認識の通りです。
繁華街や駅などには昨今、防犯カメラが多数設置されており、特に繁華街では商店街などが自主的に設置した防犯カメラがあったりするところもあります。他方で、人通りのない路上は、防犯カメラの設置もほとんどなく、そういった場所で犯罪が起きてしまうと、なかなか人の目撃もなく、防犯カメラもないので検挙できなくなってしまう可能性が高まります。
また、人通りのない場所は防犯カメラの設置があったとしても各設置箇所との距離が遠く、その間の犯人の足取りが追えなかったりとするため、失尾してしまい、検挙できないということが多いです。

藤本先生、

ありがとうございます。
そうすると、人工が多い東京は、必然的に他県の検挙率が高くなることが多いわけですね。令和以降の警視庁のデータを見ると、検挙率が9割を超えていて、全国平均よりも高い数値になっているように思います。

都内で検挙ができなくなる場合は、たまたま路上などで防犯カメラが少なかったり、計画的に防犯カメラに映らないようにした事件などが考えられるんでしょうか?

事件にもよりますが、全ての事件で見た場合には実際そんなに高い率で検挙できていないと思いますので、統計操作はありそうですけどね。

検挙できない事件は、おっしゃるように防犯カメラや目撃がなく、個人特定情報に繋がらなかった場合かと思います。

上記のデータは重要犯罪に絞った場合のようです。リレー捜査されるような場合ですかね?

例えば、何も計画がなく、酔った勢いなどでやった犯行みたいなのは、駅や繁華街で起こった場合は検挙しやすいという事になりそうですかね?

重要犯罪は特に人員を割いて時間をかけて捜査するので、当然そういった捜査も行います。

駅や繁華街で犯罪が起きて犯人が立ち去ったとしても、その後の足取り(タクシー利用、コンビニなどの店舗利用、駅での改札利用)が分かれば、その先での個人情報特定(クレジットカード、キャッシュカード、Suica、ポイントカード、電子マネーなど)ができることが多く、そこから犯人が特定されます。
他方で、リレー式に防犯カメラ捜査がなされても、個人情報特定ができない場合には、どこの誰だか分からずに検挙できないことがあります。
実際に足がつかないようにそういった工作をする方もいます。

そうなんですね。重要犯罪までするくらいだと、やはり工作する人はいますよね…
それに比べると、計画性のない突発的な犯行の場合、余程防犯カメラがない場所に行くとかがない限り、足取り追って個人特定する可能性が上がるということですかね?

そうですね、工作もないので、その傾向はありますね。

何度もすいません。ありがとうございます。

そうすると、都内の重要犯罪で検挙が出来てない10%程は、犯人が色々工作していたり、たまたま防犯カメラで追跡しても個人特定に至らなかった場合ということですか。

繁華街や駅で起きた重要犯罪ならば、相当運が良くないと逃げ切れないとも言えそうですね

そういう状況の可能性が高いと思います。

度々ご回答ありがとうございました。非常に勉強になりました。