認知症だった被相続人からの遺産分割

相続人は母と私と妹の3人です。5年前、被相続人の父が要介護1の時、私と母が相談して、父に暦年贈与(私と妹の家族)、教育資金贈与(妹の家族には対象者なし、私の子供3人のみ2000万)、生命保険(私と妹に500万)を信託銀行を介して申し込みました。
暦年贈与は毎年、妹家族3人、私の家族4人が受け取り、生命保険は父の死亡2か月後に妹、私が受け取っています。
暫くして、妹が父は認知症で判断能力がなかったのに 勝手に遺産を操作したと不満に思って 遺産分割ができなくなりました。調停にて私たちの考えを説明しましたが、妹の弁護士が訴訟を起こすといわれ、調停が消滅しました。
妹は教育資金が自分家族にもらえていないのが気にいらないのだと思います。暦年贈与、生命保険はもらっているのに
そのような主張はとおるのでしょうか。今から 妹の家族が受け取っている暦年贈与、生命保険を返せば 訴訟が可能なのでしょうか。なお、信託銀行への送金は私が行い、署名は行員の前で父が行っています。妹は教育資金の署名は私がしたと主張しています。
生前、父が認知症になる前から私の家族にも今回もらった金額程度の遺産譲渡の気持ちがあった事を証明できれば、訴状が送られてきても問題はないのでしょうか。
どなたか、アドバイスをお願い致します。

調停での双方の主張がわからないので、どの部分について、どのような理由で
争ってくるのか、わからないですね。
全面的に争うのか、一部なのかもわかりませんね。
認知症になる前が基準ではないですね。
実際に行為をしたとき、署名とか、その時が基準ですね。
訴状が来たら、弁護士さんに相談してください。

調停で話合ったのは、多項目(特別受益、寄与分、被相続人の資金移動)で、焦点は金額の多い教育資金贈与時に被相続人が理事弁別能力がすでに無かったと主張来ると思います。対抗するにはどのような証拠が必要でしょうか。すみませんが、よろしくお願いいたします。

意思能力に有無の鑑定が必要になります。
医師の鑑定書、あるいは意見書ですね。
最寄りの弁護士に相談してください。

父親の署名押印したことは容易に証明できるでしょうが,意思能力については,相手も,当時の診療記録を取り寄せるなどして,対応してくるでしょうから,それを待ったらいいと思います。

私が妹に被相続人から頂いた教育資金の半分を支払って、遺産を確定してから、再び調停にてはじめから話し合おうかと思っていますが、気おつけなければいけない点等ありましたら、教えていただけるととても有難いです。よろしくお願いいたします。

「私が妹に被相続人から頂いた教育資金の半分を支払って、遺産を確定してから、再び調停にてはじめから話し合おうかと思っていますが、」
→教育資金は生前贈与なので,遺産ではありません。遺産がなければ,こちらから調停を申し立てて話しあう必要もなく,放置するのでいいと思いますが,いかがでしょうか。こちらから話しあいとかいうと,結局不必要なお金を余計に払わされるだけだと思います。ただ遺留分の侵害があれば,そこだけは,相手方からの請求に応じなければ成らなくなるでしょうから,弁護士に相談して事前に見積もっておいた方がいいでしょう。

度々申し訳ございません。 被相続人の遺産は他に 土地、預貯金があります。
私の家族がもらった教育資金が不正取得で 正規の遺産に戻して 加算してから、妹は遺産分割をと考えているのだと思います。宜しくお願い致します。

遺産が残っているということは,それらに関する遺言がなかったということですね。ただ,不正取得ということになると,相手方が訴訟を起こすとになりますが,それがまだ確定していないのに,不正取得であることを認めて,遺産に加算してしまうのは,もったいない気がしますが,それでもいいなら,それで構いません。
それと,相続人は母親もいるのですから,妹に半分しはらうというのも計算が合いません。

父に暦年贈与、教育資金贈与、生命保険の契約を同時に行っているのであれば
全て無効か、全て有効ということとなります。
したがって、妹さんが教育資金贈与のみ無効と主張しているのであれば自己矛盾ということとなります。
調停が不成立となり終わってしまったようですが、教育資金贈与を除いた遺産で遺産分割は可能なので、遺産分割の審判を申し立てて、教育資金贈与を除いた遺産の分割を裁判所に決めてもらった方がよいと思います。

教育資金贈与が仮に妹さんのいう通りに無効であっても、妹さんが不当利得返還請求を法定相続分に従い取得するだけなので、遺産分割とは関係ないこととなります。

妹さんの訴訟を待つ必要はなく審判で遺産分割ができるのですから
弁護士に依頼していないのであれば、弁護士に相談し依頼をされ、
遺産分割を進めた方がよいと思います。

今回、調停が 相手方の地裁への訴訟提訴を理由に一方的に打ち切られてしまい とても残念だったのですが、家裁に提出した申立書の中の財産目録には 教育資金は当然入っていませんでした。教育資金が地裁で裁判中であっても、財産目録の調停が可能であったとすると、家裁の一方的な調停打ち切りは ひどい行為 といえるのでしょうか。裁判官に審判を求めたのですが、「地裁の判断が上だから」 と言われただけでした。高島先生のご意見と家裁の判断は実際は違っていました。再度 同様の調停の申し立ては可能なのでしょうか。

確かに,生前贈与が無効であれば,不当利得返還請求権を,各相続人が行使するだけで,遺産分割は別途すすめることは,理屈上,可能です。残った遺産を,法定相続分で分割すればいいだけです。
ところが,生前贈与が有効だったとすると,それを,特別受益として,遺産分割の中で考慮する可能性が残っています(形式的には孫への贈与ですが,実質的には親への贈与と同視できる場合は,特別受益として考慮されることはあります)。
したがって,家裁としては,地裁の判断を先にしてもらうのは,それなりに理由のあることです。

私は被相続人の認知機能の低下する前の意思、気持ち、行動がどうであったか という点が一番重要ではないかと思います。認知機能が低下しても以前と同じ判断、行動であれば問題は無く、違う判断、行動になった場合のみ認知機能の低下が原因だと言えるのでは と思いますが、法律的にはどうなるのでしょうか。

法律的には、契約時の判断能力の有無が問題となります。
契約時に判断能力がないということとなれば
契約は全て無効となります。