一方的な契約解除の件

会社をSOHO的に、数十年経営しております。
利益よりも、赤字でも良いので、つながりを大切にしてきました。

今回、ある会社と契約書を交わし、システム開発と相成りました。
(これに至る経緯も、相手側からの口説きで契約となりました)

実際の開発にかかると、物理的にできない開発もあり、できる開発は精一杯損得抜きで開発しました。
ところが、物理的にできない開発で一方的に契約不履行のように伝えられ、契約解除の通知が届きました。
相手の弁護士も問題ないと判断されているで、その弁護士と話し合おうとしましたが、それには 着手金が必要、と伝えられました。
(あまりにも 一方的で、その抗議もできにくい状況です)
このような場合、どうすればよろしいでしょうか?

ちなみに、弊社(ほぼ私個人)開発は、今まで数多くの開発を行ってきましたが、今回のような事象は初めてです。
弊社は精一杯開発を行い、過失等は ほぼないと、考えております。
弊社開発は、数十万円の超格安で請け負いましたが、他社だとその数倍以上は必要な開発内容と考えます。
その間のやりとりも、電話での話し合い部分はございませんが、メールでのやりとりはすべて残っております。

以上、お手数をおかけいたしますが、ご回答の程お願い申しあげます。

要点としては、システム開発契約を締結したが、その一部については履行が不可能な開発内容であったところ、当該履行が不可能な開発について履行されていないことを理由として契約解除をされた。そこで、既に開発を完了したものについての請負代金を請求できるか、というご質問であると理解しました。

まず、「物理的にできない開発で一方的に契約不履行のように伝えられ」とのことですが、「物理的にできない」と真に言えるのかどうか、なぜ「物理的にできない開発」を請け負うことになったのかが問題です。
もし、「物理的にできない」という意味が、単に「契約に記載された納期では間に合わない」ということであれば、それは単純に履行遅滞を理由とする債務不履行ですから、契約解除は有効です。
「物理的にできない」が、そもそもそのような開発は理論的に不可能(例えば、タイムマシンを作るという契約等)であれば、契約自体が無効になる可能性があります。

いずれの場合であっても、結局は、上記の「物理的にできない」部分を除いた部分は開発完了しているということですから、その部分に相当する請負代金は請求できる可能性があります。
ただし、当該開発完了部分だけでどれくらいの価値があるのか、が問題になります。

一般論は以上で、より個別的なお話は、詳しい契約内容や開発内容を知る必要がありますので、正式に弁護士に相談することも検討された方がよいと思います。

杉井 英昭様

ご回答ありがとうございます。

なぜ「物理的にできない開発」を請け負うことになったのかが問題
の件ですが、システム開発は 実際に開発しないとできない部分というのがわからない、ということが 多々ございます。

今回の件で 物理的にできない一例を挙げますと、あるPDFファイルを外部表示させるのですが、その中の内容を変更して欲しい、という部分です。
これは 通常の開発では、到底できない開発内容となります。
(タイムマシン程 難易度は高くないと考えますが)
相手側は、この開発は できて当然、と解釈されているようです。
それができないため、契約不履行 と判断されているようです。
(相手の弁護士も、その点を 契約不履行と判断しているようです)

物理的にできない部分以外で開発完了している部分の請求はできる、ということですね。
ご教示ありがとうございます。

今回の案件は格安(数十万円)で、(金銭面で)弁護士にお願いするという次元でないのかもしれません。
このような場合でも、弁護士の先生にお願いするというケースは 多いのでしょうか?

よろしければ、ご回答の程お願い申しあげます。

PDFファイルの内容変更の開発対象における位置付けが問題になりそうに思います。
PDFファイルでも、単純な画像形式のものなのか、文字埋込式のものが想定されていたのか。画像形式であるとすると、これを画像認識して文字化した上で変更するところまで要求することを契約内容として含んでいたのか。

弁護士費用との兼ね合いで、弁護士が矢面に立って交渉をすると費用倒れになってしまう案件かもしれません。
ただ、相手方と交渉するにあたっての理論武装は必要であり、特に相手方に代理人弁護士が立っている状態ですから、「もし少額訴訟された場合には防御しきれない」と弁護士に思わせるだけの法的な説得力が必要です。
交渉を依頼するまでせずとも、相談だけでもされるということも検討されてもよいかとは思います。

追記すれば、今回のようなトラブルを再度起こさないようにするにはどうすればよいか、ということも考えたいところです。
数十年のご経験がおありで、これまで同様のトラブルはなかったのでしょうから、もしかすると今回の事例は相手方にのみ大いに問題があった事例でもあるかもしれません。
しかし、システム開発トラブルの中には、受託側の工夫や注意によって防ぐことができるものもあります。今回の事例がそうであるとすれば、どこを気をつければよかったのかを振り返ることも必要かと思います。

杉井 英昭様

ご回答ありがとうございます。

PDFの件ですが、開発初期段階で できない旨を伝え、担当の方も理解されたおられました。
ですが、納品後に相手社長から一方的に、契約不履行と伝えられました。

費用倒れの件ですが、確実にそうなると感じます。
その意味でも、ここで杉井先生にご回答いただけるだけで、大変ありがたく存じます。

理論武装はできなくても、常識的な話はしたいと考えております。

今回の事例は相手方にのみ大いに問題があった事例
ですが、下記内容で ある程度ご納得いただけるかもしれません。

私は こうなる危険性を感じましたので、当初は同案件をお断りしました。
(必要以上に、契約書と弁護士の話をされましたので)

ですが、相手社長から電話があり、
「あれは体裁上で、変なことは絶対しない」
「契約書抜きで、僕個人で開発をお願いしても良い」
「僕はお寺の僧侶で、危険な男ではない」
旨の話をされました。
それで 考えを改め、契約と相成りました。
今思えば、その録音をしておけば 良い証拠になった、と感じます。

一方的に契約不履行を伝えられたときも、担当の方に 前述の件を伝えました。
(社長にも伝わるように)
ですが、取り合ってもらえないようです。

こういった内容など、法的には無効なのでしょうか。
(メールのやりとりは、しっかりと残っているのですが)

契約書が存在しないということなのでしょうか。
そうだとすると、相手方の弁護士からは、どのような書面が来ているのでしょうか。

契約書や相手方弁護士からの書面、さらにはメールのやり取りが重要そうであれば、それらも含め、資料を見た上で検討する必要があります。

さすがに、このスレッドでのやり取りでは、資料を拝見した上で、きちんとしたご回答をすることは出来ません。
正式にご相談されるか、費用をかけてまで対応するほどではないと考えられるかを検討されてください。

杉井 英昭様

ご回答ありがとうございます。

契約書はございます。

この内容も、弁護士より変更指示されて 一部文言変更しました。
ですが 私は最後の抵抗手段としまして、下記内容を盛り込みました。

第27条 〔優先事項〕
基本的に、各契約内容よりも、甲乙お互いの気持ちを尊重することを優先するものとします。

この項目は、法的に有利な内容となりますでしょうか?

なお、弁護士から書面は届いておりません。
相手側からの契約破棄の通知だけが届いております。
それを請けて、こちらで考えさせて欲しいと 返事をし、来週にも返事をするつもりです。

費用の面からも、こちらは諦める方向が良いのでしょうか・・・

今まで 開発は、すべて心を込めて開発してきたつもりです。
どのような内容でも、手を抜いたことはございません。
その点は、他社に負けない 自負がございます。
それが、すごく悔しいです。

上記の条項は法的には無意味なものです。
契約書と解除通知があるのであれば、まずはその内容を検討するところからですね。

先に記載しましたように、費用の面からすれば、弁護士に交渉を依頼すると費用倒れかもしれませんので、まず相談だけされてはいかがかと思います。しかし、1〜数万円の相談料すら惜しいということでしたら、弁護士としても如何ともしがたいところであります。

杉井 英昭様

ご回答ありがとうございます。

無意味なのですね。
残念です。

相談のみですと、安価なのですね。
それで、理論武装できるのであれば 検討したいです。

具体的には、どうすればよろしいでしょうか?

時間的に遅くなっておりますので、ご回答は後日でも結構です。
杉井先生のご回答で、少し心が軽くなっております。

具体的なご相談の流れですが、もし私にご相談いただく場合には、ココナラ法律相談のシステム上で「ありがとう」をつけていただく必要があります。その後は、この掲示板ではなく、DMでやり取りできるようになりますので、そちらで具体的なやり取り(住所や氏名等をお伺いして事務所での相談予約をとる)を行うことになります。

他には、弁護士を選ぶことはできませんが、大阪弁護士会の法律相談センター(https://soudan.osakaben.or.jp)というところで、相談予約をすることなどもできます。こちらはEメール相談もやっています。

できれば、(一番簡単かつ費用圧縮できそうな)Eメール相談を 杉井先生にお願いしたいと考えております。
可能でしょうか?

まずはEメールでやり取りをさせていただいて、それで完結すれば終了でよいですし、内容によってはメールでは限界があることもありますので、その場合には面談等についても検討するということでもよろしいでしょうか。
DMに移行するために、まずは「ありがとう」を押していただけますか。

杉井 英昭様

承知いたしました。
それでは、「ありがとう」を押させていただきます。
その後、よろしくお願いいたします。