居住権のある土地の買い取りについて

3年前に相談者の祖母が亡くなり、
それまで祖母名義だった土地を

3人の子ども・・・長女A、長男B、次男C で1/3ずつ相続をしました。
(相談者から見て、Aは母、B・Cは叔父にあたる)

この土地(3人の実家にあたる)には、
・Aが約15年前から居住(離婚をして実家に戻った)
・Bが通算約50年間居住(未婚、若いころに実家から出ていた時期もある)

祖母が亡くなった現在も引き続き二人で住み続けています。
祖母が亡くなるまでは、二人で介護をしています。

Cは40年前にアメリカに渡り、今後も日本に戻る予定はありません。
そのため、Cとしては実家の土地を売却し現金に換えて、
3人で分配したいと考えていますが、A・Bは反対しています。

居住権があるため、今後もA・Bが住み続けることは問題がないと思うのですが、
(固定資産税もA・Bが支払っています)
Cがあまりにうるさいので(親戚中に悪口を言う等)、
A・Bの二人でCの土地1/3を買い取ることも検討していますが、
その場合、Cにはいくら支払うのが妥当なのでしょうか?

土地の面積は約70坪です。
現在A・Bの2人が住んでいる建物もあるため、
1/3の土地を切り出すことは現実的ではありませんが、
仮に土地の1/3を、Cのために切り離したとしても23坪少々にしかなりません。

70坪をまとめて不動産屋さんに売却するのであれば問題はないと思いますが、
1/3だけを売却すると仮定した場合、
建物を避けた庭部分は利用価値の高い形ではないですし(長方形にはならない)、
面積も小さいため、相場よりは価値が下がるのではないかと思うのです。
そういったことを考慮し、A・Bの二人でCの土地1/3を買い取ろうとした場合、
一般的な土地の相場の何割減で算出するのが適切なのか教えていただくことは可能でしょうか?

また、買い取らずに円満に解決できる方法はあるのでしょうか?

アドバイスいただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。

持ち分を、路線価の3分の1の価格で、買い取るのが
標準的な方法でしょう。
代金を2人で等分すれば、買い取った持ち分を等分し
ますね。

>A・Bの二人でCの土地1/3を買い取ることも検討していますが、
その場合、Cにはいくら支払うのが妥当なのでしょうか?

Cには、土地の市場価格(土地の使用貸借権の価値を除いた価格)の3分の1を支払うのが通常かと思われます。

使用貸借権による減額は一般的には1割程度と言われています。

Cは、やろうと思えば、ABの了解を得なくても
(1)自分の持分だけを第三者に売却する
(2)共有物分割手続(裁判手続)により持分の現金化を試みる
ことが可能です。

(1)については、3分の1の持分だけを取得してもすぐには使えませんから、そもそも買い手は多くないですし、買取価格は非常に安くなりますが、近年は「持分だけでも買い取ります」という業者が出てきています。
(2)については、裁判手続を粛々と進めることにより、土地を切り分けて取得したり、全体を競売にかけたりすることができるようになります。こちらも経費が多くかかり、最終的な手残りの金額は多くありませんし、手間がかかります。Cが外国にいるのならなおさらです。

Cが上記(1)(2)を認識しているかどうかはわかりませんが、Cにとっては、上記(1)(2)の方法よりも手残りが多くなるような金額であれば、ABに買い取りをしてもらうほうが「合理的」ということになります。

他の先生方が回答しているように、相続税路線価や固定資産税評価額から計算した時価を3分して、使用借権の10%を控除した金額というのが公平中立な金額の算定方法の一つであることに間違いはありません。
しかし、売買価格は当事者間で合意できれば高くても安くても良いわけですから、ABとしては、上記を考慮して、できる限り有利な金額を提案し、交渉していくことがよろしいように思います。
Cが上記(1)(2)の方法をとった場合に手残りがいくらになるかの計算は簡単ではないものの、ある程度見通しもつけられますので、その金額を考慮しつつ、提案金額を調整することをお勧めいたします。

なお、将来的な紛争の可能性を考慮するのであれば、Cからの持分買い取りと合わせて、AB間の権利調整(可能であれば共有を解消し、分筆してそれぞれ単独所有するなど)も検討なさると良いですね。

皆様
ご回答いただき誠にありがとうございました。
大変勉強になりました。
アドバイスいただいた点を参考に対応を進めたいと思います。